Ⅱネオ・ジオングの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| Ⅱネオ・ジオング vs Hi-νガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 敗北 |
| Ⅱネオ・ジオング vs ユニコーンガンダム(結晶体) | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| Ⅱネオ・ジオング vs Ξガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 敗北 |
| Ⅱネオ・ジオング vs ガイア・ギアα | 敗北 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
Ⅱネオ・ジオングの武装
Ⅱネオ・ジオング(NZ-999)は、モビルスーツであるMSN-06S-2 シナンジュ・スタインをコア・ユニットとして抱え込み、外装側(ハル)そのものが兵装プラットフォームになる“巨体の砲戦・制圧装置”として成立している。肩部のウェポン・コンテナや各部マニピュレーターは、単に武器を持つためだけでなく、装備の格納・射出・再装備までを一連で回す設計思想を持つ。実際、シナンジュ・スタイン用のビーム・ライフルやロケット・バズーカ類を肩部に収納し、必要に応じて即応展開できる構造が明示されている。
火力の中核は、腰部に内蔵された大口径ハイメガ粒子砲と、両肩に集中配置された大型メガ粒子砲群だ。大口径ハイメガ粒子砲は「最強クラスのビーム火力だが連射性が制約される」という典型的な“主砲”枠で、戦艦級・要塞級の目標へ一撃で戦況を動かす用途を担う。一方の肩部大型メガ粒子砲は前後に計6門を備え、収束/拡散の撃ち分けで面制圧と貫通射撃を両立する。これにより、コロニー宙域のように射線が限定される状況でも、敵の進路封鎖・退路遮断・艦隊の陣形崩しを同時に狙える。
防御と“現象兵器”を司るのが、腰部のIフィールド・ジェネレーターと、サイコ・シャード発生器だ。Iフィールドは腰部に4基を持ち、ビーム偏重の迎撃を無効化して強引に間合いを詰めるための盾になる。その上でサイコ・シャード発生器は、スカート側面および肩部スラスターユニット内に格納された発生器が展開し、背後に六角形結晶の巨大リング(サイコ・シャード)を形成、強大なサイコ・フィールドを発生させ“操縦者の思念を現実化しうる”とされる切り札になる。単純な攻撃力ではなく、心理・意思・空間支配を火力へ変換する点が、同機を「兵器」というより「災厄装置」に寄せている。
そして、直接戦闘で最も厄介なのが、有線式大型ファンネル・ビットだ。主腕の先端に大型ビットを備え、ビームガンとしての遠隔射撃に加え、ワイヤーでの拘束・捕縛を行う。さらにドリル状ワイヤーで敵機に取り付き、ジャックして操る運用が説明されており、単機での火力勝負を拒否して、敵編隊そのものを崩壊させる戦い方が可能になる。ここにシナンジュ・スタイン側の携行武器(ビーム・ライフル、ロケット・バズーカ、シールド、さらに大型ビーム・アックス等)を組み合わせ、遠距離制圧→捕縛→近接処刑までを一機で閉じられるのが、Ⅱネオ・ジオングの武装体系の完成形だ。
ゾルタン・アッカネンの思想
ゾルタン・アッカネンは、フェネクス捕獲を目論むジオン共和国軍の大尉であり、シナンジュ・スタインのパイロットとして前線に立つ。同時に、ネオ・ジオン残党「袖付き」の首魁フル・フロンタルと同系統の“シャアの再来”として開発された強化人間という出自を持ち、個人の野心というより「国家と計画が作った器」として戦場に投げ込まれた存在だ。この時点で彼の思想は、理想や大義よりも、作られた役割への反発と自己証明へ傾く下地を持つ。
その自己証明をねじ曲げる決定打が、「赤い彗星の失敗作」という烙印だ。フル・フロンタルが選ばれた結果、ゾルタンは“候補から落ちた側”としてコンプレックスを刻まれ、指摘されると激昂するほどの地雷になる。さらに過去の実験失敗で右眼を失い、サイコミュを内蔵した赤い義眼へ置換されているという身体性の改造が、彼の自尊心と被害意識を日常的に刺激する。つまり彼の思想の芯は、「成功体の物語に回収されない」「自分を失敗として整理した世界に、同じ痛みを返す」という怨念に近い。
一方でゾルタンは、上層の策謀に従う“道具”である自分を理解してもいる。だからこそ彼の言動は、忠誠や革命ではなく、計画を利用し返す形での破壊衝動へ接続しやすい。ジオン共和国、モナハン・バハロ、ルオ商会、そしてミシェル・ルオらが絡む利害の網の目の中で、彼は「与えられた役」を演じながら、その舞台装置ごと焼き払う方向へ舵を切る。結果として、戦場の倫理よりも“見せつけるための暴力”を優先し、敵だけでなく環境そのものを人質に取る発想へ行き着く。
最終局面で彼の思想は、「ニュータイプ神話」や「不死鳥(フェネクス)」の象徴性すら、自己証明と復讐の燃料として消費する段階に到達する。Ⅱネオ・ジオングがジオン共和国へ秘匿移送され、専用艦グルトップルで運用され、コアのシナンジュ・スタインと共にゾルタンへ割り当てられる流れ自体が、彼を“切り札”として扱う世界の冷酷さを示す。そこでゾルタンは、ヘリウム3貯蔵施設を舞台に事態をエスカレートさせ、周辺コロニー群と地球圏へ連鎖する破局を引き起こしかねない規模へ踏み込む。彼にとってフェネクスは救済ではなく、世界を道連れにするための引き金であり、最後はその執念が死後すら現象へ染み出す形で描かれる。
