宇宙空間でデブリなどの障害物が一切なく、中距離から同時に推力を立ち上げた瞬間、RX-78AL アトラスガンダム(イオ・フレミング)とMAN-08 エルメス(ララァ・スン)は「回避で時間を稼ぐ戦い」が成立しない殺傷レンジに放り込まれる。
アトラスはレールガン、アサルトライフル、ビーム・サーベル、ブレードシールド、そしてヴェロス・メデューサ(メデューサの矢)という“刺す/削る/固める”の多様な手札で「近づけば勝てる」絵を作れるが、遮蔽物ゼロの宇宙では“近づくまでの道”が最も危険になる。
エルメスはサイコミュシステムで機体制御と火器管制をまとめて握り、無線誘導のビット群でオールレンジ攻撃を成立させるため、「距離があるほど強い」という戦術曲線を最初から最大値にできる。
つまりこの条件は、アトラスが「レールガンで道を切り開き、ブレードシールドで受け、ビーム・サーベルで仕留める」までの工程を強制される一方で、エルメスは「ビット展開→包囲→射線の重ね掛け」という最短手順で勝ち筋に到達できる舞台になる。
戦力分析
機体
アトラスガンダム
アトラスガンダムは本来、重力下専用の汎用サポート装備サブレッグ(フライトユニット)とレールガンなどの専用兵装で地上・空中・水中を横断する設計思想の試作MSで、宇宙の“何もない空間”では汎用性の強みがそのまま生存性に直結しにくいのが初期不利になる。
武装は、長距離から重装甲MSを一撃で抜けるレールガン、グレネード・ランチャー併設のアサルトライフル、長大なビーム刃を作れる高出力ビーム・サーベル、至近距離のビーム砲撃にも耐える超耐熱ブレードシールド、命中点から発泡性硬質化ベークライトで機動を阻害するヴェロス・メデューサと揃うが、宇宙戦仕様ではサブレッグを外す換装が語られる点からも“素のまま宇宙”はやや無理筋になり、今回はその無理をイオの腕で押し通す勝負になる。
エルメス
エルメスはニュータイプ専用試作型モビルアーマーとして、機体制御や火器管制の大半をサイコミュシステム経由で処理し、巨体に反して反応性に優れるという「大型=鈍重」を裏切る土台を最初から持つ。
主兵装は無線誘導のビットで、小型航空機サイズの端末にビーム砲・小型炉・ロケット推進・多数の姿勢制御スラスターを詰め込み、複数同時制御でオールレンジ攻撃を成立させるうえ、機体前面のメガ粒子砲2門も上下可動で射角を確保するため、「母機は安全圏、敵は全周から被弾」という構図を遮蔽物なしの宇宙で最も作りやすい。
パイロット
イオ・フレミング
イオは高機動戦と射撃・格闘の切り替えに躊躇がなく、レールガンの一撃必殺とブレードシールドの押し込み、ビーム・サーベルの踏み込み斬りを「テンポ」で繋いで相手の処理能力を飽和させるタイプだが、今回の相手は“処理能力そのものが兵器”であるサイコミュ+ビットなので、イオは開幕から「ビットを落とす/母機に詰める/仕留める」を最短で圧縮し続ける必要がある。
この対戦での立ち回りは、(1)レールガンでビットを間引いて包囲密度を下げる、(2)ブレードシールドで被弾角を限定して“当たり所”を固定する、(3)アサルトライフルとグレネード・ランチャーでビットの進路に弾幕を置き、(4)隙が出た瞬間だけ高出力ビーム・サーベルで母機に刺し込むという「短い突撃を何度も繰り返す」以外に勝ち筋が薄い。
ララァ・スン
ララァはサイコミュで機体とビットを“同時に動かす”前提のニュータイプで、索敵・射線・回避・誘導を並列化して相手の手数を無力化しやすく、遮蔽物なしの中距離開始は「最初からビットを最大展開して包囲を完成させる」最適解を許す。
この対戦での立ち回りは、(1)ビットを広く散らしてレールガンの狙いを分割し、(2)ビットの射線を“時間差”で重ねてブレードシールドの向きを遅らせ、(3)母機のメガ粒子砲は決め撃ちの追い込みに温存し、(4)アトラスのサブレッグ(あるいは推進系)を優先して落として接近工程そのものを崩すことで、ほぼノーダメージのまま終盤へ運べる。
アトラスガンダム vs エルメス|一騎討ちシミュレーション
序盤戦
中距離で向かい合った瞬間、エルメスはビットを後部収納から射出して外周に散らし、アトラスはレールガンの照準器を“母機ではなくビットの密度中心”へ置いて初弾で包囲の輪を歪めにいく。
ビットは無数の姿勢制御スラスターで微細に加速と制動を刻み、レールガンの弾道に対して面で逃げるように散開しながら、ビーム砲の初弾をあえて外周から撃ってアトラスの回避ベクトルを“読みやすい一本”に固定する。
アトラスはブレードシールドで頭部と胴体を覆い、アサルトライフルとグレネード・ランチャーを混ぜた連射でビットの進路に弾幕を置きつつ、被弾角が限定された瞬間だけレールガンを撃ち込んで「1基でも落ちれば接近が現実になる」という分岐点を作りにいく。
中盤戦
ビット包囲が完成すると、ビットのビーム砲が“同時”ではなく“0.2秒ずつずらして”襲い、ブレードシールドで受けた直後の姿勢修正に次の射線が刺さるため、アトラスの回避は「避けたのに当たる」感覚へ変わりはじめる。
イオは強引に推力を上げ、レールガン→アサルトライフル→ビーム・サーベル投げ込み(抜刀のフェイント)→再びレールガンというリズムで射撃と格闘を“同じ手数”として叩き込みながら、叫ぶように「モビルスーツは大好きだぜ。宇宙も戦場も。ここは自由だ!」と自分を加速させるが、その熱量が上がるほどララァのサイコミュは“次に踏み込む方向”を拾いやすくなる。
ララァは母機のメガ粒子砲をまだ撃たず、ビットでアトラスの肩・膝・腰といった姿勢制御の要点を狙って“浅い損傷”を積み重ね、ブレードシールドの超耐熱が活きる正面撃ち合いを避けて、左右斜め後方からの交差射で「盾を向けた瞬間に別の線が入る」状況を完成させる。
終盤戦
被弾の蓄積でアトラスの微細な姿勢制御が乱れると、レールガンの“当て勘”が鈍り、ビットを間引けないまま包囲密度が維持されるため、イオの勝ち筋だった「間引き→接近→ビーム・サーベル」が最初の段階で詰まりはじめる。
イオはブレードシールドの面積とメデューサの矢の拘束を信じて、ヴェロス・メデューサをばら撒くように撃ち、硬質化ベークライトでビットの接近軌道やエルメスのスラスター方向を“汚す”が、ビットは母機から離れて再加速できるため拘束が決定打になりにくい。
ララァは最後に温存していた母機前面のメガ粒子砲を上下可動で射角に滑り込ませ、ビットの交差射でブレードシールドの向きを固定した刹那だけ“母機の太い一撃”を通す段取りへ切り替え、アトラスの接近工程そのものを焼き切る準備を整える。
決着
ビットがアトラスの右側面から細いビーム砲撃を刻み、左斜め後方から別のビットが“盾を回した瞬間の胴体露出”を狙って同時に撃つことで、ブレードシールドの防御面積が逆に「向けた方向へ誘導される枷」になり、イオの視界は警報とスパークで塗り潰される。
そこでララァは母機のメガ粒子砲2門をスリットに沿ってわずかに下げ、ビットの交差射で生まれた一瞬の“安全な射線”へ太いビームを通し、アトラスの胴体中央を貫く熱量で装甲・フレーム・配線をまとめて切断して、ビーム・サーベルの踏み込みに必要な推力と姿勢制御を同時に奪う。
コックピットブロックの脱出機構が作動する寸前、ララァの声が意識の奥へ落ちてきて「あなたの来るのが、遅すぎたのよ!」と告げ、イオの最後の突撃は“距離を詰める前に詰まされる”形で途切れ、エルメスはビットを収束させながら安全圏のまま戦闘を終える。
アトラスガンダム vs エルメス|勝敗分析
勝敗判定
勝者:エルメス(ララァ・スン)/想定勝率:75%(エルメス)-25%(アトラス)
勝因分析
- サイコミュ+ビットの無線オールレンジ攻撃が、遮蔽物なし中距離開始で最短勝ち筋として成立するためだ。
- ビットが同時制御で射線を時間差に重ねられ、ブレードシールドの向き変更を“罠”に変えるためだ。
- アトラスの勝ち筋であるレールガンの間引きと接近戦が、包囲密度を下げられないと成立しにくい構造だからだ。
- エルメスは母機のメガ粒子砲を追い込みに温存でき、最後に太い一撃で“工程”ごと断てるためだ。
- アトラスは本来の重力下・水中運用の汎用性が強みで、宇宙の無遮蔽物ではその優位が相対的に薄まるためだ。
アトラスガンダム vs エルメス|異なる条件の場合
宇宙戦・近距離開始
近距離開始なら、アトラスはブレードシールドの超耐熱と防御面積で最初のビット射線を“受け切って前へ出る”選択が取りやすく、ビーム・サーベルの長大なビーム刃でビットを斬り落とす現実味が一気に増す。
さらにヴェロス・メデューサを機体表面の隙間へ撃ち込み、発泡性硬質化ベークライトでビット収納部やスラスター周りの動作を阻害できれば、ララァの“並列処理”を物理的な拘束で鈍らせる余地も生まれる。
それでもララァがビットを自機周りへ戻して即席の“自衛圏”を作れるため五分には届きにくいが、勝敗予想はエルメス55%:アトラス45%程度まで接近する。
宇宙戦・遠距離開始
遠距離開始になるほどエルメスはビットを広域に散らし、母機が見えない距離からでもオールレンジ攻撃を組み立てやすく、アトラスのレールガンは“当てれば勝ち”でも“当てるまでが遠い”状態へ追い込まれる。
ビットは航続距離やビーム砲の発射回数に限界があるとされるが、遮蔽物なしの宇宙ではその制約が来る前に「被弾の蓄積で接近工程を崩す」プランが回りやすく、イオは弾幕に押し戻され続ける。
勝敗予想はエルメス85%:アトラス15%で、アトラスが勝つにはレールガンでビットを複数基まとめて落とす“初動の大当たり”が必要になる。
地上戦
地上戦になるとアトラスはサブレッグ(フライトユニット)を含む重力下の設計思想が素直に効き、上下機動と急加速で射線を切りながらレールガンとアサルトライフルを撃ち分け、ブレードシールドで被弾角を限定して詰める動きが最も“本領”に近づく。
一方のエルメスは宇宙用の大型MAで接近戦を想定しない設計思想ともされ、地形や重力の制約がビット運用と母機姿勢の自由度を削るため、宇宙ほど一方的な包囲を作りにくくなる。
それでもララァのサイコミュ運用とビットの多方向射線は強烈で、勝敗予想はエルメス60%:アトラス40%だが、地形が複雑になるほどアトラス側に“接近の道”が生まれてさらに縮まる。
アトラスガンダム vs エルメスに関するQ&A
Q1:アトラスのレールガンはビットをどれくらい落とせるのか
理屈の上ではレールガンは高初速で長距離から重装甲MSを一撃で撃破し得るため、ビットのような小型端末に命中すれば破壊は十分現実的だが、問題は「命中させる前に射線が崩される」点にある。
ビットは多数の姿勢制御スラスターで微細運動ができ、しかも複数同時制御で散開と包囲を維持するため、アトラスが狙いを定めた瞬間に“狙いそのものを分割”されてしまい、初動で数を落とせないと後は当て続ける余裕が減る。
したがってレールガンは「当たれば消える」兵器だが、遮蔽物なし中距離では“当て続ける状況”を作りにくく、勝ち筋にするにはアサルトライフルの弾幕やブレードシールドの受けで射線を固定する工程が要る。
Q2:ブレードシールドはエルメスの攻撃にどこまで耐えるのか
ブレードシールドは頭部と胴体を覆うほどの防御面積と超耐熱性を持ち、至近距離からのビーム砲撃にも耐えるとされるため、単発・単方向のビームなら“受けの要”としてかなり信頼できる。
ただしエルメスの強みはビットによる多方向射線の重ね掛けで、盾を向けた瞬間に別方向から撃つ構図を作れるので、盾が強いほど「盾を向けさせる誘導」が戦術として成立しやすくなる。
結局、ブレードシールドは“時間稼ぎ”にはなるが“包囲の無効化”にはならず、アトラス側は盾で生き延びた時間をレールガンの間引きやメデューサの矢の拘束へ変換できるかが勝負になる。
Q3:ヴェロス・メデューサはエルメス相手に有効なのか
ヴェロス・メデューサはニードル弾がセンサーや隙間に刺さって発泡性硬質化ベークライトを噴出し、徐々に膨らみ固まって敵機の動きを阻害し内部機構を破壊するため、直撃すれば“拘束→機能不全”の勝ち筋を作れる。
しかし相手がエルメスだと、致命点は母機よりもビット運用であり、ビットは母機から離れた機動端末なので、仮に一部を拘束しても残りのビットで包囲密度を維持されやすく、効果が局所に留まりやすい。
ゆえにメデューサの矢は「ビットを落とす」より「一瞬の接近窓を作る」用途が現実的で、ブレードシールドで受けながら撃ち込んでエルメス母機の姿勢や射角を汚せた時だけ、ビーム・サーベルへ繋がる。
Q4:エルメスのメガ粒子砲は“主役”ではないのか
エルメスのメガ粒子砲は機体前面に2門で、スリットに沿って上下可動し広い射角を持つが、オールレンジ攻撃主体の設計ゆえ補助兵器の域を出ないと考えられているため、基本はビットが主役になる。
だが対MSの決着では「相手の回避や盾向きをビットで固定し、母機の太い一撃を通す」手順が最も確実で、メガ粒子砲は“削り”ではなく“締め”に使うと戦術価値が跳ね上がる。
本シミュレーションでも、ブレードシールドをビットで縛った後にメガ粒子砲を通すことで、アトラスの接近工程をまとめて断ち切るのが決着手段として最も自然になる。
Q5:アトラスは宇宙戦で不利なのか
アトラスは重力下専用のサブレッグ(フライトユニット)や水中技術を取り入れた球体関節など、地上・空中・水中での汎用性を獲得する方向で特徴付けられており、無遮蔽物の宇宙では“環境適応の強み”が相手の主戦場に直結しにくい。
また、宇宙に上がる際にはサブレッグを外し大型ランドセルを追加する換装が語られるため、宇宙で最適な姿は別にあるという示唆があり、今回は「イオ搭乗のアトラスを宇宙へ置く」時点で条件側がやや不利寄りに振れている。
それでもイオの操縦でレールガンの間引きと近接戦を強引に成立させれば勝ちは拾えるが、エルメスのビット包囲が完成するまでの短時間に“必要な成果”を出さねばならず、総合では不利が残る。
Q6:エルメスのビット運用に弱点はあるのか
ビットは航続距離が短くビーム砲も10射が限界とされるなど、無限の弾幕ではないため、長期戦であれば運用制約が効いてくる余地はある。
ただし遮蔽物なしの宇宙では、長期戦に入る前に“被弾の蓄積で接近工程を崩す”ことが容易で、ビットの制約が表に出る前に勝負が決しやすいのがエルメス側の強みになる。
アトラス側がその弱点を突くには、ブレードシールドで耐えて時間を伸ばすだけでなく、レールガンでビットを確実に減らし、ビットの総数そのものを運用制約へ追い込む必要がある。
まとめ|アトラスガンダム vs エルメス
- 遮蔽物なし宇宙の中距離開始は、エルメスのビット包囲が最短で成立する条件だ。
- アトラスの勝ち筋はレールガンでの間引きと近接戦の圧縮だ。
- ブレードシールドは強いが、多方向射線の“誘導の餌”にもなり得る。
- ヴェロス・メデューサは拘束で接近窓を作る用途が現実的だ。
- エルメスはビットで盾向きを固定し、最後にメガ粒子砲で締めるのが最も確実だ。
- イオは短時間で成果を出せないと包囲密度に飲まれる。
- ララァはサイコミュで機体制御と火器管制を並列化できる。
- 近距離開始ならアトラスの勝率は大きく上がる。
- 遠距離開始ならエルメスがさらに有利になる。
- 地上戦ではアトラスの設計思想が活きて勝率差が縮む。
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