ガンダムヌーヴェル

ガンダムヌーヴェルの対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
ガンダムヌーヴェル vs ガンダムダブルエックス 敗北 勝利 敗北 敗北
ガンダムヌーヴェル vs ガンダムXディバイダー 敗北 勝利 敗北 勝利
ガンダムヌーヴェル vs ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク 敗北 勝利 敗北 敗北
ガンダムヌーヴェル vs ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ 勝利 敗北 勝利 勝利

ガンダムヌーヴェルの武装

ガンダムヌーヴェルは、機動新世紀ガンダムX NEXT PROLOGUE「あなたと、一緒なら」に登場する、カリス・ノーティラス専用のガンダムタイプMSだ。型式番号はGNR-0008Cで、新地球連邦軍の防衛省がワンオフ機として用意したという立ち位置にあり、戦後に開発された“新しいガンダム”として扱われる。ビジュアルイメージをときた洸一、デザインを石垣純哉が担当したことが公表されている。

機体コンセプトはNRX-016 ラスヴェートの発展機で、カリスの意向によりRMSN-008 ベルティゴの要素も取り入れた“後継+私物化”の折衷だ。象徴的な武装が両腕部のスラッシュシールドで、関節部にアームで接続され、攻撃時に前方へ180度回転させて運用する複合兵装となる。先端部にはビームショット兼用ビームサーベルが内蔵され、格闘戦では刃として、射撃戦では近距離の手数として切り替えられる構造だ。

スラッシュシールドは“盾+刃+銃”に留まらず、基部を有線で射出して攻撃するギミックも持つ。ここがヌーヴェルのいやらしさで、シールドを前腕に残したままでも、あるいは射出そのものを囮や拘束の起点にしても成立するため、間合いを固定しない。さらにスラッシュシールド自体を分離することで大型ビット兵器としても使えるとされ、肩部装甲と合体させてベルティゴのようなシルエットを形成する描写・設定が付随する。つまり「盾を捨てて火力にする」「盾を増やして輪郭を変える」という二段階の“形態戦術”が武装側に組み込まれているわけだ。

そして、ガンダムヌーヴェルの主兵装として決定的なのがAIドローンビットだ。スラッシュシールド内に36基ずつ計72基を搭載し、サイズは50〜70cmほどの細長い楕円形で、両端にビーム砲とバーニアを内蔵する。射出後は中央の12枚のリボンファンを展開・回転させて揚力を得る方式で、従来のフラッシュシステム制御ではなくAIが本体行動に合わせて自動判断し攻撃する。カリスがフラッシュシステムを使用できなくなっているために“AI化したビット兵器”へ置き換えられた、という因果が機体設定に直結している点が重要だ。

カリス・ノーティラスの思想とパイロット能力

カリス・ノーティラスは北米北部のフォートセバーン市出身で、ノモア・ロング市長によって生み出された人工ニュータイプだ。根は潔癖な理想主義者で、市の平和を守るという目的を信じ、自ら“人工ニュータイプになる”選択をして自警団を率いた。だが、その正義はティファ・アディールの存在によって崩れる。自分と同じ人工ニュータイプだと教え込まれていたティファが、生まれながらのニュータイプ能力を持つと知った瞬間、ノモアの本心と、自分の力の成り立ちに潜む残酷さを理解してしまうからだ。

この破綻は、戦い方と思想の両方に直結する。ガロード・ランのGX-9900 ガンダムXと対峙したカリスは、専用MSベルティゴで撃破し、同時にティファを拉致するという“目的のための成果”を一度は手にする。しかしガロードがGX-9900-DV ガンダムXディバイダーに乗り換えた再戦で敗れた後、カリスは自分の死を贖罪に変えようとして、ガロードにわざと撃たれて死のうとする。ここでテクス・ファーゼンバーグに救われ、さらにフリーデン脱走の夜にガロードから「生きろ」と叱咤されて初めて笑顔を見せる、という心の転回が起きる。

だが運命は容赦せず、カリスはノモアの当初計画どおり巨大モビルアーマーMAN-003 パトゥーリアの生体ユニットとして組み込まれる。システムの中で“人間が部品化される”体験を経たうえで、ガロードたちに救出され、フォートセバーン市の復興のために生き抜くと誓う流れは、彼の思想が「純粋な理想」から「罪と代償を抱えた現実的な希望」へ変質した証拠だ。その後はフォートセバーンの代表として新連邦に抵抗する武装組織に参加し、一隊を率いてフリーデンのクルーを救援、最終決戦では共闘するまでに至る。人工ニュータイプ特有の後遺症シナップス・シンドロームに最後まで苦しめられながらも、「それもまた自分の人生だから」と受け止める強さを見せる人物像になる。

パイロット能力の核は、フラッシュシステムとオールレンジ攻撃を“勝つために使い切る”冷徹さにあった。ベルティゴは第7次宇宙戦争で宇宙革命軍が投入したNT専用MSで、フラッシュシステムを介して脳波コントロールされるビットを計12基搭載する機体だ。カリス機はライラック作戦でパトゥーリアとともに降下した予備パーツから組み上げた機体とされ、限られた条件下で戦力を成立させる現場性も背負う。実戦ではガンダムXを撃破する成果を出しており、敵の射線を増やして回避先を潰すビット運用、相手の判断を遅らせる間合い管理、目的(ティファ確保)から逆算して戦闘を締める決断力が噛み合っていたと読める。そして後年、ガンダムヌーヴェルでは“フラッシュシステムが使えない”前提のままAIドローンビットへ適応し、手動の超感覚に頼らない編隊火力を扱う方向へ戦い方を更新することになるのが、カリスというパイロットの怖さだ。