ガンダム・ファラクトの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ガンダム・ファラクト vs ガンダム・キャリバーン | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダム・ファラクト vs ガンダム・エアリアル | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダム・ファラクト vs ガンダム・シュバルゼッテ | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダム・ファラクト vs ダリルバルデ | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 勝利 |
ガンダム・ファラクトの武装
ガンダム・ファラクト(FP/A-77)は、ペイル社(Peil Technologies)が開発したGUND-ARMで、ブラストブースターとGUNDフォーマットによる高次の慣性制御を前提に「飛行性能の大幅な向上」を売りにする機体だ。シェルユニットの発光が示す通り、機体各所がパーメットとデータストームに直結する設計で、機動・射撃・オールレンジ運用を同じ操作系で束ねる思想が強い。結果として、決闘のルールが宇宙戦に振れた瞬間から、推進と姿勢制御そのものが武器になる構成を持つ。
主兵装は「ビームアルケビュース」だ。狙撃戦術を想定した長銃身の携行火器として扱われ、相手の間合いに踏み込まずに撃ち抜く前提で射撃安定性を重視した設計だと説明されることが多い。これに加えて、近接側は前腕装甲内にビームサーベルを仕込み、格闘での最小限の切り返しを確保する。さらに足部の「ビークフット」は鳥のくちばしを想起させる形状そのものが攻撃端末で、内蔵ビームで追撃や迎撃の択を増やす方向に寄っている。
ファラクトの“らしさ”を決定づけるのが、GUND-BITシステム「コラキ(Corax)」だ。背部バインダー/バックブースター側に格納された複数ビットを射出し、電磁ビームを張り巡らせて相手の動きを止める、あるいは行動を縛る罠として機能させる運用が核になる。単純な追尾ビットというより、空間に「線」を引いて戦場を区切るイメージで、狙撃火器のビームアルケビュースと同時運用して“逃げ道を消した上で撃ち抜く”組み立てが噛み合う。
Season2では武装更新が入り、従来の大型ライフルに代えて「ビームカリヴァ」を両手武装として携行し、連結状態の「ビームマスケット」へ合体できる構成が語られている。二挺拳銃めいた取り回しで近〜中距離の手数を増やしつつ、連結で中距離以遠の圧も戻す発想で、コラキの拘束・分断と合わせてレンジの切り替えを速くする狙いが透ける。つまりファラクトは、ブラストブースターの機動とコラキの面制圧で“撃てる状況”を作り、ビームアルケビュース/ビームカリヴァ(+ビームマスケット)で勝ち筋を確定させる武装体系だ。
エラン・ケレスの思想とパイロット能力
エラン・ケレスは、ベネリットグループ御三家の一角であるペイル社が擁立するパイロットで、アスティカシア高等専門学園パイロット科3年、ペイル寮の筆頭として紹介される。学園内の誰にも心を開かない孤高の人物で、スレッタ・マーキュリーに興味を抱く、という“冷えた観察者”の輪郭が公式プロフィールの時点で明確だ。だから彼の言動は一見すると淡々としているのに、相手の核心(ガンダム、GUNDフォーマット、パーメットの適性)だけを正確に刺しにいく切れ味を持つ。
その思想の根は、ペイル社の都合で作られた「強化人士4号」という立場に引きずられる。彼は“ガンダムに乗るための存在”として扱われ、決闘や偵察を企業目的に接続されることで、自己像が「道具」へ収束しやすい。第6話「鬱陶しい歌」では、スレッタとの決闘そのものが物語上の転換点として提示され、彼の態度の豹変と、企業側の思惑が同時に匂わされる。さらに“本物のエラン”の存在が示され、表にいるエランが消耗と調整の限界に近いことまで語られるため、彼の冷笑や諦観が「人生の持ち時間」を意識したものとして読める。
一方で、エラン・ケレス(強化人士5号)は、同じ名前を名乗る“影武者の一人”として学園に派遣された存在で、「天使のような笑顔」を持つと紹介される。4号が無表情と沈黙で距離を作ったのに対し、5号は愛想・駆け引き・生存戦略を前面に出し、ペイル寮や決闘委員会、そしてスレッタやミオリネ・レンブランの周辺へ“入り込む”方向に舵を切る。笑顔は単なる性格ではなく、ペイル社が求める「交渉カード」として設計された外装でもあり、ここに彼の倫理観の歪みと現実主義が宿る。
パイロット能力の核は、ペイル社が“筆頭”として据えるだけの操縦技量と、ファラクトの機体思想を成立させるオールレンジ制御の適性だ。ブラストブースターでの高機動と、GUNDフォーマットがもたらす高次慣性制御を、狙撃と罠の組み立てに落とし込める時点で、空間認識と射撃計算が抜けている。加えてコラキの展開は、単に当てるだけではなく、相手の進路・回避・反撃を“設計”してから撃つタイプの戦い方を要求するため、エランの冷徹な観察眼と噛み合う。4号は「短い時間で結果を出す」切迫感が精密さへ変換され、5号は「生き延びるために勝ち筋を拾う」適応力が前に出る——同じ顔でも、操縦の癖と勝ち方の思想が分岐するのがエラン・ケレスという存在だ。
