ガンダムTR-1ヘイズル改

ガンダムTR-1ヘイズル改の対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
ガンダムTR-1ヘイズル改 vs Zガンダム 敗北 敗北 敗北 敗北
ガンダムTR-1ヘイズル改 vs ル・シーニュ 敗北 敗北 敗北 敗北

ガンダムTR-1ヘイズル改の武装

ガンダムTR-1[ヘイズル改](RX-121-1)の基幹武装は、バックパックに1基設置されるビーム・サーベルと、ブラッシュ社製のビーム・ライフル(型式番号:XBR-M84a)に集約される。ビーム・ライフルはT3部隊で試験的にEパック方式が採用され、連射モードでは消費が大きい都合から、2つのパックを繋げた運用も想定されるなど、「継戦能力の検証」そのものが武装仕様に刻まれている。ショートバレルやロングバレルといった複数仕様のテスト運用が語られ、改良の系譜がガンダムMk-IIへ接続する設計思想も示唆される。

防御と推進を同居させた象徴がシールド・ブースターだ。前腕部ラッチに装着されるシールドでありながら、22,000kgのスラスターとプロペラントタンクを抱え、強襲時にはブースターとして機能し、そのまま防御装備として使うことで「捨てる前提」のシュツルム・ブースター的運用の無駄を削る。推進剤は被弾時の誘爆リスクを下げるため低可燃性が採用され、損傷がなければ再利用できる点もコストと運用思想の両面で大きい。さらにヘイズル改は同系のシールド・ブースターを複数基装備して強襲形態を構成でき、正面防御と加速力を同時に引き上げる「突入機」としての性格を強める。

シールドそのものはジム・クゥエルと同型で、TR計画のマーキングが施されるとされる。つまりヘイズル改は「ガンダム顔」でも防御面はRGM系の現実的パーツに寄せ、補用品の互換性と現場運用の合理性を担保している。ここにシールド・ブースターを組み合わせることで、前面防御の厚みと姿勢制御を同時に強化でき、単なる盾ではなく機動戦の“面”を作る装備へ昇格する。ブースター推力を姿勢制御に回せば、射撃姿勢の立て直しや急制動からの再加速までが一連で可能になり、ヘイズル改の戦い方は「速さ」だけでなく「止まって撃つ」「ずらして撃つ」の幅を獲得する。

加えて、胸部補助アクチュエーター・ユニットの多目的スペースに装備される多目的ランチャー(選択式)が、ヘイズル改の引き出しを増やす。発射時に折れることで2連装ランチャーとなり、グレネード弾やスモーク弾など作戦に応じて選択可能とされるほか、廃止された頭部バルカン砲の代替として外部設置式バルカン・ポッドを装着できる点が重要だ。固定武装を増やすのではなく、状況に応じて“枠”を差し替える発想が、T3部隊の運用・戦術考案・効果検証という役割と直結する。基本セットとしてビーム・ライフル/ビーム・サーベル/シールド/シールド・ブースターが揃い、そこへ選択式装備を追加して「任務ごとに最適化する」こと自体が、ヘイズル改の武装体系になっている。

ウェス・マーフィーのパイロット能力

ウェス・マーフィーは、ティターンズ・テスト・チーム(T3部隊)の中核であるテスト小隊、いわゆるマーフィー小隊(通称「ブラックオター」)を指揮する大尉として位置づけられる。母艦アスワンを拠点に、コンペイトウ(旧ソロモン)周辺宙域や地上でテスト任務を重ねる部隊の先頭に立つというだけで、彼の役割は「撃墜王」よりも、試験機材・データ・人員をまとめ上げる現場指揮官に寄っている。しかもT3部隊は、信頼性の低いテストパーツで実戦を強いられる過酷な“激戦区”であり、そこで小隊を回し続ける時点で操縦技量と判断力の両方が要求される。

個人の戦歴面でも、ウェス・マーフィーは一年戦争に連邦軍で従軍し、ソロモン攻略戦やデラーズ紛争といった大規模作戦への参加が示される。さらにティターンズ創設以前はエイパー・シナプス大佐の麾下にいたが、デラーズ紛争の責任を負わされシナプスが処刑されたことへの強い不満が、T3への転属に繋がったとも語られる。経歴そのものが、宇宙要塞攻略の集団戦から、観艦式襲撃後の混乱対応まで、戦場の位相が違う局面を跨いでおり、パイロットとしての引き出しが「経験」で鍛えられているタイプだ。戦争をくぐった兵士らしい割り切りと、指揮官としての冷静さが併存している点も、試験部隊の先頭に立つ資質になる。

戦闘描写の要点は「常に前に出る」ことにある。ウェス・マーフィーは戦闘では先頭(前衛)を担い、1番機を駆って突入の楔になるとされ、癖の強いガンダムTR-1[ヘイズル改]を巧みに操りつつ、多種の兵装を扱い分ける優れた戦闘技量が語られる。さらにTR-5[ファイヴァー]のような特異な機体でも複数武装の運用に習熟し、ヘイズル損傷後にヘイズル改へ移行、のちにはギャプランTR-5[フライルー]の正式パイロットにもなるなど、機種転換への適応力が高い。試験部隊でありがちな「乗れるだけ」ではなく、「使いこなして戦果とデータを両取りする」領域に踏み込んでいる。

ヘイズル改という機体側の要求に引き寄せて能力を具体化すると、まずシールド・ブースターの質量と推力を抱えたまま、姿勢制御と射撃線を同時に成立させる操縦が要になる。前腕ラッチに巨大なスラスター付きシールドを付ければ慣性モーメントが暴れ、ビーム・ライフル(XBR-M84a)の取り回しやEパック管理まで含めて「手数が増える」のではなく「破綻しやすくなる」。そこでウェスは、強襲形態での突入・被弾管理・再利用前提の装備温存といった、試験運用と実戦の折衷を前衛でやり切る。加えて多目的ランチャーや外部バルカン・ポッドといった選択式装備を“状況で差し替える”判断も、部隊指揮官としての戦術眼に直結する。荒っぽい兵士気質でありながら部下を気に掛ける人物像も語られており、ブラックオター小隊を成立させる統率と、TR系列を乗り継ぐ適応力が、ウェス・マーフィーのパイロット能力の核だ。