ガンダムXディバイダーの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ガンダムXディバイダー vs ガンダムダブルエックス | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムXディバイダー vs ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムXディバイダー vs ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムXディバイダー vs ガンダムヌーヴェル | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 敗北 |
ガンダムXディバイダーの武装
ガンダムXディバイダー(GX-9900-DV)の中核は、背部に懸架される複合兵装ディバイダーにある。ディバイダーはまず大型シールドとして機体正面を広く覆い、被弾面積の大きい地上戦で「面」で弾を受け流す役割を担う。同時に中央部を展開すると19連装ビーム砲、通称ハモニカ砲として機能し、横一列に並ぶビームの“面制圧”で回避行動そのものを縛る設計になっている。さらに両端の大型スラスターにより高速移動と長時間滞空を実現し、地走型でありながら空間機動の選択肢を増やすのが改修の狙いだと読み取れる。
射撃の主兵装は2連装ビーム・マシンガンで、サテライトキャノンやシールドバスターライフルを失ったガンダムXを“実戦的な連射火力”へ寄せる装備だ。二つの銃口を持つことで照準の修正が速く、単発高威力に偏りがちなビームライフル運用よりも、継続的な牽制と撃ち抜きの両立に重心が置かれる。ディバイダーのハモニカ砲が「横の圧」で敵の進路を潰し、2連装ビーム・マシンガンが「点の刺し込み」で命中を取りにいく、という役割分担が成立する。加えて、ディバイダーを背部接続したホバリング運用では、射線を通し続けるための位置取りがしやすくなり、戦闘距離を維持したまま手数で優位を築く組み立てが可能になる。
近接装備としては大型ビームソード2本をバックパックに収容し、射撃偏重に見える外見とは裏腹に、接近戦での切り返し手段も確保している。加えてブレストバルカン4門は、ミサイルや小型目標への迎撃だけでなく、格闘間合いでの目くらまし・牽制としても使える“間合い調整の道具”だ。さらにX-グレネーダー2基は腰部に備え、着弾で足を止める・遮蔽物の裏へ追い込む・着地硬直を狙うなど、地上戦のテンポを作る投射兵装として働く。これらは「一撃必殺」よりも「選択肢の多さ」を優先した改修で、ガンダムXディバイダーの戦い方そのものを規定する武装群だといえる。
特殊用途としてハイパーバズーカも携行し、ビームが通りにくい状況、特に水中戦を強く意識した構成になっている点が面白い。ビーム依存の機体は環境で火力が落ちるが、実体弾を持つことで戦場条件のブレを吸収できる。総じてガンダムXディバイダーは、ディバイダー(シールド/ハモニカ砲/スラスター)で機動と防御と面制圧をまとめ、2連装ビーム・マシンガンで連射火力を作り、ビームソード・バルカン・X-グレネーダー・バズーカで距離帯ごとの“詰め”を用意した、後半戦仕様の総合戦闘パッケージだ。サテライトシステムを失っても戦えるのではなく、「戦い方そのものを作り替えてでも戦線に残る」ための装備換装だと断言できる。
ジャミル・ニートの思想とパイロット能力
ジャミル・ニートはバルチャーの陸上艦フリーデンの艦長であり、作中世界アフターウォーにおける“指揮官としての顔”がまず前面に出る人物だ。第7次宇宙戦争ではニュータイプ兵士としてガンダムXに搭乗したが、その能力は失われていると説明され、戦後は軍事利用されるニュータイプの保護を目的に行動する。ここで重要なのは、ジャミルの目的が「勢力の勝利」ではなく「能力者が再び道具にされない状況の確保」へ置かれている点で、ティファ・アディールをはじめとするニュータイプを“戦力”でなく“守るべき存在”として扱う価値観が、フリーデンの行動原理になる。
思想面では、罪責感と贖罪意識が強い。ニュータイプとして他者の感情を直接受け取る素地を持つ以上、戦争の結果に対する痛みはさらに増幅される、という読みが成立し、だからこそ彼はサングラスで視線を隠し、艦長としての“距離”を作って自分を保っているようにも見える。ニュータイプという概念が「期待」と「利用」を同時に呼び込むことを身をもって知っており、その反動として、戦後のジャミルはニュータイプを神格化することも、兵器化することも拒む方向へ傾く。フリーデンがバルチャーとしてジャンクを漁りつつも、単なる略奪集団ではなく“保護者の共同体”として機能するのは、この艦長の倫理観が骨格にあるからだ。
パイロット能力については、「かつてのエース」と「戦後の恐怖」が同居するのがジャミルの特徴になる。物語では、コクピット恐怖症を克服したジャミルがGXディバイダーで出撃し、追い詰められたガロード・ランとティファを救う展開が描かれる。恐怖を越えて機体に乗る行為そのものが、彼にとっては“戦闘技量の問題”ではなく“心の枷を外す作業”であり、そこに到達して初めて、元ニュータイプ兵士としての操縦センスと艦長としての判断力が噛み合う。つまりジャミルの強さは反射神経や撃墜数だけで測れず、撤退線の設定、味方の射線整理、敵の意図の読み取りといった指揮と操縦の接合に現れる。
物語終盤のD.O.M.E.との対峙は、ジャミルの思想を決定づける局面だ。月面基地でD.O.M.E.の正体が“人類最初のニュータイプ”として提示され、過去に囚われた人々へ真実を語り始める流れの中で、ジャミルは「ニュータイプ」という言葉そのものに縛られていた自分を相対化していく。さらに彼の行動として象徴的なのが、フラッシュシステムで操る無人のGビットを必要局面でコントロールしつつも、それがニュータイプを戦争に利用する道具に過ぎないと理解したうえで、自ら破壊する選択に踏み切る点だ。能力の復活や兵器の増強ではなく、“利用の連鎖を断つ”ことを優先する――この判断こそ、ジャミル・ニートの思想の到達点であり、艦長としてもパイロットとしても彼を唯一無二にしている核だ。
