クシャトリヤの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| クシャトリヤ vs キュベレイ | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 敗北 |
| クシャトリヤ vs α・アジール | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| クシャトリヤ vs Ξガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| クシャトリヤ vs ガンダムF91 | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| クシャトリヤ vs ゴトラタン | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
クシャトリヤの武装
NZ-666クシャトリヤの武装体系は、まず「4基のフレキシブル・バインダー」そのものが兵器である点に特徴がある。両肩に2基ずつ接続されたバインダーはムーバブル・フレームを介して大きく可動し、裏面にメイン・スラスターとファンネル・コンテナを配置、内部にプロペラントタンクとIフィールド・ジェネレーターまで抱え込む多機能ユニットだ。母艦ガランシェール格納時は基部を折り畳んで機体を包み込む形態を取り、戦闘時も同様に全周をガードしながらIフィールドを展開できるため、防御姿勢そのものが戦術になる。
火力の中核はメガ粒子兵装の密度にある。胸部左右に2基ずつ、計4基の胸部メガ粒子砲を備え、固定兵装でありながらバインダーによるIフィールド偏向を利用して射角に自由度を持たせ、拡散メガ粒子を「雨」のように降らせる運用も可能とされる。加えて、バインダー表面には2基ずつ計8基のバインダー部メガ粒子砲を装備し、4枚の可動翼が360度を攻撃範囲として覆う。砲門自体が自在に動くため死角が消え、インダストリアル7宙域でのRGM-89ジェガン、RGZ-95リゼルの迎撃でも「面」で圧をかける布陣を作れる。
サイコミュ兵装はファンネル24基が主役だ。各バインダーのコンテナに6基ずつ計24基を搭載し、基礎構造はAMX-004キュベレイ系に準じつつ小型化と機動性向上が図られ、デブリと誤認されるほどのサイズにまとめられたとも説明される。コンテナ側でプロペラントとエネルギーの再チャージが可能で、放出時にはバインダー中央部が展開する。撃破効率は「一撃必殺」ではなく、同世代MSを落とすには数発直撃や複数基の斉射を要する描写が語られており、マリーダ・クルスの管制負荷を前提に“手数で殺す”設計思想が透ける。
近接・自衛も抜かりない。バインダー先端にはサブ・アーム(簡易マニピュレーター)を備え、通常は裏側に折り畳まれつつ、小型ビーム・サーベル内蔵で格闘戦に威力を出し、2本爪クローでRX-0ユニコーンガンダム(デストロイモード)を拘束できるほどのパワーを持つとされる。白兵用としてビーム・サーベルは両手首内側に収納され、収納状態ではビーム・ガンとしても使用できる。さらに胸部メガ粒子砲脇にマシン・キャノン2門を備え、至近の迎撃や牽制を担う。補助携行火器としてビーム・ガトリングガン(4銃身の大型ビーム機関銃)も用意され、メガ粒子砲・ファンネルの負担を補う目的や、機体改修後の運用(クシャトリヤ・リペアードへの内装など)が言及される。
マリーダ・クルスの思想
マリーダ・クルスの思想の核は、「道具として作られた自己」と「人としての居場所」を同一人物の中で折り合わせる営みにある。彼女は『袖付き』に属し、ガランシェール搭載のクシャトリヤを駆る女性パイロットで、年齢は18歳、階級は中尉とされる。組織的にはフル・フロンタルの掲げる“反政府”の旗のもとで戦うが、彼女自身の動機はスローガンよりも、戦場で培われた忠誠と、失われ続けた自己の回収に寄っている。
その背景が思想を鋭く規定する。正体はエルピー・プルから数えて12体目のクローンで、当初は「プルトゥエルブ」と呼ばれた強化人間だと説明される。第一次ネオ・ジオン抗争後、戦場から単独で逃亡し、地上で搾取の末に消耗していたところをスベロア・ジンネマンに養女として保護され、彼を「マスター」と呼んで従う関係になる。ここで形成された価値観は、ネオ・ジオンの大義というより「ジンネマンという一人の大人に救われた事実」への依存と恩義で、命令への従属は同時に“拾われた命の使い道”でもある。
だが『機動戦士ガンダムUC』の物語は、その従属を固定せず揺さぶり続ける。インダストリアル7での任務、RX-0ユニコーンガンダムとバナージ・リンクスとの交戦、パラオでの一騎討ち、そして鹵獲・保護という流れの中で、彼女は「敵」「目標」「命令」の外側にある個人の声に触れていく。特に“強化”によって切断されてきた感情の回路が、精神感応や対話を契機に再接続される構図があり、ジンネマンへの忠誠が「命令だから守る」から「守りたいから抗う」へと質を変える余地が生まれる。ここでの思想は、思想体系というより「誰のために戦うか」という問いへの、痛みを含んだ選択になる。
そして彼女の思想は、最終的に“他者を救う言葉を持つこと”へ収束していく。これは単なる決め台詞ではなく、プルトゥエルブとして刷り込まれ、上書きされ、奪われ続けた自我の上に、それでも自分の意志で誰かに手を伸ばすという反抗だ。フル・フロンタルやマーサ・ビスト・カーバインのような“大きな意思”に飲まれないために、彼女は小さな関係――ジンネマン、バナージ、ミネバ・ラオ・ザビ――を拠り所にし、「戦う理由」を国家ではなく人間へ引き寄せていく。
