クロスボーン・ガンダムX2改

クロスボーン・ガンダムX2改の対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
クロスボーン・ガンダムX2改 vs Hi-νガンダム 敗北 敗北 敗北 敗北
クロスボーン・ガンダムX2改 vs ナイチンゲール 敗北 敗北 敗北 敗北

クロスボーン・ガンダムX2改の武装

クロスボーン・ガンダムX2改(XM-X2ex)は、木星帝国の木星圏テクノロジーで再生・改修された「クロスボーン・ガンダムX2」の派生で、失われたコア・ファイターの欠落を埋める形で機体構成が整理され、背部スラスター形状も大型化している。だが推進剤や機械系統の世代差・体系差のため、見た目ほど単純に推力が伸びる改造ではなく、むしろ“木星帝国が地球圏のMSを復元する難しさ”が武装体系にも影を落とす。そうした歪さの象徴が、後述する木星帝国製バスター・ランチャーで、X2改の火力コンセプトを「一点突破の艦艇破壊」に寄せる決定打になる。

近接武装は「クロスボーン・ガンダム」系列の“コロニー内戦闘”思想を濃く引き継ぐ。両肩ラックに収納されるビーム・サーベルは、標準的な格闘用の保険として機能し、脚部にはヒート・ダガーを左右1基ずつ内蔵する。ヒート・ダガーは脚部スラスターの余熱で刃体を加熱するという癖の強い兵装で、推進と格闘が同一コンディションに縛られる代わりに、ビーム攪乱下でも確実に装甲へ熱的損傷を入れられる。加えてフロントスカートにはシザー・アンカーを装備し、拘束・牽引・体勢制御・引き寄せからの刺突まで、白兵の“手数”を増やす道具として働く。

防御と攻防一体の要が、前腕部のビーム・シールド/ブランド・マーカーだ。ビーム・シールドは平面状のIフィールド刃で射撃・実体兵器を受け止められ、同じ発生器を拳に被せることでブランド・マーカーとして打撃武器にもなる。四隅に短いビーム刃を立てたピラミッド状の形態で突き抜け、命中部位にX字の破断痕を残す設計思想が「クロスボーン」らしい意匠として戦闘の記号にもなる。さらに精密射撃支援装置(右眼側へスライドして展開する照準補助)や、手部に内蔵されたダミー・ランチャーも持ち、ミノフスキー粒子下の“目視戦”で虚像を撒き、格闘距離へ持ち込む欺瞞戦術を成立させる。

射撃武装の中核は、バスター・ガン/ビーム・ザンバー/ザンバスターの三位一体だ。フリントロック・ピストル風のバスター・ガンは片手射撃で間合いを作り、海賊のカトラスを思わせる高出力ビーム・ザンバーは格闘の主役になる。この2つを合体させたザンバスターは“剣と銃の切り替え”を一瞬で済ませる合理兵装で、状況によってはグレネード装着で単発榴弾としても運用できる。加えてショット・ランサーは電磁加速で槍先を叩き込み、先端自体をミサイルのように射出できるため、ビームで炉を誘爆させたくない局面でも殺傷力を落としにくい。極めつけが木星帝国によって改修されたバスター・ランチャーで、連邦軍艦艇を一撃で屠る級の高出力を与えられ、X2改の戦い方を「長射程の決定打→攪乱接近→白兵の手数」に固定する。これらの高難度運用を下支えするのがバイオ・コンピューターで、感覚情報の直結・思考制御によって、ザビーネ・シャルの反応速度と残酷な最適解を機体側が増幅する。

ザビーネ・シャルの思想とパイロット能力

ザビーネ・シャル(Zabine Chareux)は『機動戦士ガンダムF91』時点で24歳とされ、金髪と右目のゴーグル(片眼鏡)をトレードマークにする。右目は失明説が語られ、周囲から「成り上がり」と揶揄される一方で、シャル家の紋章とされる太陽モチーフの意匠をビーム・フラッグに用いるなど、出自と自己演出が混じる人物像として描かれる。ロナ家私設軍クロスボーン・バンガードの精鋭部隊「ブラック・バンガード」(第1戦闘大隊)指揮官を務め、XM-05ベルガ・ギロス(ブラックバンガード仕様)で前線を切り裂く“貴族軍のエース”として存在感を放つ。

思想の核は、冷静沈着で礼節を保ちつつも、徹底して“選別”する貴族主義にある。敵には容赦しないが、無秩序な殺戮そのものを美徳とみなすわけではなく、バグによる無差別殺人やラフレシア・プロジェクトのような「統治の品位を欠く暴走」には嫌悪を示す側面を持つ。つまり彼の倫理は普遍的な人道ではなく、あくまで「統治する側の品位」と「統治の合理性」に寄ったものだ。だからこそベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)という“血”に執着し、同時に平民であるキンケドゥ・ナウ(シーブック・アノー)がベラに近い位置にいる現実を、耐えがたい屈辱として抱え込む。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム』木星戦役期(U.C.0133)では、ベラが木星帝国総統クラックス・ドゥガチ打倒のために“宇宙海賊”として再興したクロスボーン・バンガードに参加し、XM-X2クロスボーン・ガンダムX2を任される。だが本心は最後までコスモ・バビロニア復活=貴族主義国家の再建にあり、木星帝国との戦いすら「クロスボーン・バンガード」を名乗る勢力が戦果を挙げ、人心を再び貴族主義へ引き戻すための舞台装置として計算していた節がある。ドゥガチ討伐が失敗し勝ち目がないと悟ると、同志とともにマザー・バンガードを占拠して叛乱を起こし、テテニスを手土産に木星帝国へ投降する道を選ぶ。ベラを“将来の女王”として確保する取引まで持ち込み、理念ではなく血統と権力で宇宙を並べ替える算段に突き進む。

パイロット能力は一貫して最高峰に寄る。F91期には腕前を認められて精鋭部隊を率い、ベラにモビルスーツ操縦を教える立場にも選ばれている。クロスボーン期でも“エース”としてキンケドゥと並び立ち、シミュレーションでは7対3でザビーネ優勢だったという言及まで語られる。戦い方は、ビーム兵器と白兵の切替、欺瞞による状況支配、そして機体を使い潰す決断の速さに特徴が出る。実際、木星帝国へ渡った後は忠誠を試す儀式的拷問で心の均衡を壊されていく過程で、目的が「貴族主義の再建」から「キンケドゥへの執着と決着」へ収束し、自分自身が“感情を処理できない側”に転落していく皮肉を背負う。さらにX2改を得た後、連邦艦艇を攻撃してクロスボーン・バンガードの仕業に見せかけるなど、戦術的には一級の工作と火力運用で戦場全体を操るが、その才覚が最終的に個人的怨念へ吸い尽くされる点に、ザビーネという男の強さと脆さが同居する。