デビルガンダム(最終形態)

デビルガンダム(最終形態)の対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
デビルガンダム(最終形態) vs ゴッドガンダム 勝利 勝利 勝利 勝利
デビルガンダム(最終形態) vs マスターガンダム 勝利 勝利 勝利 勝利

デビルガンダム(最終形態)の武装

デビルガンダムは元来、ネオジャパンでライゾウ・カッシュが設計したアルティメットガンダムであり、「自己再生」「自己進化」「自己増殖」という三大理論を中核に据えた地球環境再生マシンとして組まれていた存在だ。だが地球降下のトラブルを起点に機体が暴走し、精神エネルギーによる制御と、生体ユニットを“コア”として必要とする異形のモビルファイターへ変貌する。最終形態は、ネオジャパンコロニーと同化したコロニーデビルガンダム内部にある核で、レイン・ミカムラを格納しつつ、モビルファイター形態とモビルアーマー形態を使い分ける“心臓”として機能する形態だ。

火器として明確に確認できるのが、頭部のバルカン砲と、拡散粒子弾だ。バルカン砲は近距離迎撃と制圧を担う機関砲で、劇中ではガンダムシュピーゲルを弾幕で破壊した描写がある。拡散粒子弾は“ビーム兵器”として運用され、両肩のファン、触手の先端、さらに最終形態ではデビルフィンガー先端からも放たれ、射線を増やしながら面制圧と追い込みを同時に成立させる。単発の威力よりも「同時多方向・連続照射」で逃げ場を削る性格が強く、ゴッドガンダムやシャイニングガンダムのような接近格闘型に対し、距離の主導権を握るための基礎火力として働く武装だ。

最終形態の象徴がデビルフィンガーだ。両肩に装備される大型の爪で、伸縮自在の機構を持ち、通常のモビルファイターを“掴める”ほどのサイズへ展開する。ここで重要なのは、単なるクローではなく「捕縛・圧壊・拘束からの追撃導線」という複合用途を兼ねる点だ。掴み上げた相手を固定し、拡散粒子弾の照射位置へ押し込み、反撃の拳を封じる――この一連を、巨大な肩装備としての物理アドバンテージで強引に成立させる。デビルガンダムの戦いは、機体そのものが“リング”を作る戦いであり、デビルフィンガーはそのリングを閉じるための楔として設計されている印象が強い武装だ。

中間形態以降からの攻撃ユニットとして、ガンダムヘッドがある。触手の先端が巨大な“ガンダムの頭部”になった自律攻撃体で、噛み付き、口部からの火炎放射やビーム、触手射出などで多面攻撃を行う。さらにデビルガンダムは配下として、デスアーミー(海外名:ダークアーミー)を基幹に、デスビースト、デスバーディ、デスネービー、デスバット、デスボールといった派生戦力を量産し、数で押し潰す戦い方を完成させる。単騎の武装ではなく、ガンダムヘッド+デスアーミー系列の群体運用そのものが“武装体系”として組み込まれている点が、最終形態の厄介さだ。

そして最大の“装備”は、DG細胞そのものだ。元はU細胞としてメンテナンスフリーなどを志向した技術だが、デビルガンダム化により無機物・有機物を問わず侵食し、支配下に置いて増殖していく性質へ変質したと説明される。精神に反応する素材・制御思想と結びつくため、生体ユニットが必要になり、より強い精神力に影響されるという設定が、キョウジ・カッシュやレイン・ミカムラの“コア化”と直結する。加えて、ゲームなどでは頭部・胸部からの高威力ビームをメガデビルフラッシュと呼ぶ例もあり、作品横断で「光学火力+侵食支配+自己再生」の三層を武器にする像が補強されている。

キョウジ・カッシュの思想とパイロット能力

キョウジ・カッシュはネオジャパン所属で、ドモン・カッシュの兄として物語の発端を握る人物だ。人物紹介では、ガンダム開発局で父の研究を手伝っていたこと、デビルガンダムを奪って地球へ降下したこと、そして本来は家族思いの優しい青年だったことが語られる。結果として“追う者”ドモンの人生を決定づけ、ネオジャパン政府が作った再現映像やプロパガンダを含め、真相が二重三重に隠される構造そのものが、キョウジという存在の悲劇性を強める役割を担う。

思想の根にあるのは、アルティメットガンダムの出自そのものだ。地球環境浄化・再生という目的に沿って、ライゾウ・カッシュと共に開発へ関わり、科学者として“地球を治す”という方向へ心を置いていた節が強い。人物像としても、弟のドモンに「人を信じる心」を説くような穏やかさがあり、レイン・ミカムラもその人柄を温かい人物として受け取っていたとされる。つまりキョウジの初期思想は、ガンダムファイトの覇権やネオジャパンの国威発揚とは逆向きに、「人類と地球を両立させる技術」へ寄っていたと整理できる。

転落の引き金は、ウルベ・イシカワとミカムラ博士の謀略でアルティメットガンダムが狙われた局面だ。回想では、父の命令で機体を守るためコクピットへ乗り込むが、その目の前で母ミキノ・カッシュが射殺される。キョウジは地球へ降下して脱出に成功するものの、着陸時の落下衝撃でプログラムが異常を来して暴走し、デビルガンダムへ変貌、キョウジ自身が取り込まれて生体コアにされる。ここで思想は反転し、地球環境浄化の“障害”として人類を排除する方向へ、機体の目的が歪められていく

パイロット能力を語るなら、まず“格闘家としての天才”ではなく、“強靭な精神をコアに要求される操縦者”という特性が要になる。デビルガンダムは精神エネルギーで制御されるため、コアとなる強い精神を持つ生体ユニットが必要とされる。実際、キョウジは混乱の中で軍人2人を素早く倒す描写があり、身体能力の基礎も高い。だが真価は、DG細胞に取り込まれ意識が薄れゆく中でも、最後の力でDG細胞を用いたアンドロイドを生み、自身の記憶と意識を託すという“システム利用”にある。操縦桿を握るだけでなく、敵の理屈を逆用して弟へ勝機を残す判断ができる点が、キョウジのパイロット像を特異なものにしている。

終盤のキョウジは、新宿での対峙では肉体がDG細胞で修復され続ける“部品”に近い状態となり、人格の輪郭も崩れていく。一方でランタオ島の決戦では、マスター・アジアがドモンを新たな生体ユニットにしようと揺さぶりをかけ、シュバルツ・ブルーダーの叱咤を受けたドモンがデビルガンダムへ決着を付ける流れの中で、キョウジもまた感謝の言葉を残して消える。ここでキョウジという“生体コア”が失われ、のちにレインが生体ユニットとして組み込まれて最終局面へ進む構図が完成する。思想は最後の最後で、歪められた目的から解放され、弟を導く側へ回帰したと言える。