プロヴィデンスガンダム

プロヴィデンスガンダムの対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
プロヴィデンスガンダム vs アカツキ 勝利 勝利 勝利 勝利
プロヴィデンスガンダム vs デストロイガンダム 勝利 勝利 勝利 敗北
プロヴィデンスガンダム vs レジェンドガンダム 勝利 敗北 勝利 勝利
プロヴィデンスガンダム vs マイティストライクフリーダムガンダム 敗北 敗北 敗北 敗北
プロヴィデンスガンダム vs インフィニットジャスティスガンダム弐式 敗北 敗北 敗北 敗北
プロヴィデンスガンダム vs デスティニーガンダムSpecⅡ 敗北 敗北 勝利 敗北
プロヴィデンスガンダム vs デュエルブリッツガンダム 勝利 勝利 勝利 勝利
プロヴィデンスガンダム vs ブラックナイトスコードカルラ 敗北 敗北 敗北 敗北

プロヴィデンスガンダムの武装

ZGMF-X13A プロヴィデンスガンダムは、ザフトが地球連合から奪取したG兵器群の技術を流用しつつ、ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載して活動時間を事実上無制限へ寄せた攻撃偏重の試作MSだ。OSには「G.U.N.D.A.M.COMPLEX」を採用し、フリーダムガンダムやジャスティスガンダムが「バランス型」なら、こちらは「攻撃力の一点突破」を機体思想として焼き付けた存在になる。最大の売りは“遠隔火力そのものを機体の主砲化する”設計であり、装甲にはフェイズシフト装甲を採ることで、被弾しながらも撃ち勝つ戦い方を許容する。

その象徴がドラグーンシステムだ。量子通信による無線式の全周囲攻防兵器として設計され、大型ドラグーン3基と小型ドラグーン8基を背負い、合計43門のビーム砲を同時運用できる。大型は1基あたり9門、小型は1基あたり2門という“門数で圧殺する”構成で、正面火力の押し付けだけでなく、敵機の回避方向を読むように射線を先回りさせ、回避行動そのものを封殺するのが本質だ。無数の射点を宇宙空間にばら撒くため、敵にとっては「回避すると当たる」状況が連続し、結果として機動を奪われる。

携行火器としてはMA-M221“ユーディキウム”ビームライフルを主武装に据え、近接・防御面はMA-V05A 複合兵装防盾システムで補完する。複合兵装防盾システムは、牽制用ビーム砲2基に加えて大型ビームサーベル、アンチビームシールドをまとめた“盾そのものが武器庫”であり、ドラグーンで面を制圧しつつ、接近してきた相手をシールド側のビームサーベルで斬る、あるいはビーム砲で追い払うといった二段構えを成立させる。頭部にはMMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲を備え、至近距離のミサイル迎撃や牽制にも抜けがない。

劇中の運用は、ラウ・ル・クルーゼという操縦者の特性と完全に重なる。ドラグーンは超人的な空間認識能力を要求し、機体が事実上クルーゼ専用機として機能する理由にもなる。ヤキン・ドゥーエ宙域での最終局面では、プロヴィデンスガンダムはドラグーンの飽和射撃でフリーダムガンダムを拘束し、互いの間合いを奪い合う死闘へ持ち込んだ。最終決戦の渦中で、クルーゼは刃によってフレイ・アルスターの命を断ち、キラ・ヤマトの精神を揺さぶったうえで、最後は「相討ち」に至る決着を作り出した。武装の性格がそのまま“逃げ場のない結末”へ直結した戦いだ。

ラウ・ル・クルーゼの思想

ラウ・ル・クルーゼはザフト軍の軍人で、アスラン・ザラたちの上官として前線に立つ一方、常に仮面で素顔を隠す謎多き人物として描かれる。指揮官としては冷静で、戦場ではシグー、ゲイツ、そして最終盤ではプロヴィデンスガンダムへ乗り換え、戦局の“勝ち筋”を作る役割を担う。だが彼の核は軍人の忠誠や国家理念ではなく、もっと個人的で、もっと破壊的な問いに支配されている。

転機はメンデルの遺伝子研究所での告白だ。キラ・ヤマトが「最高のコーディネイター」誕生の実験における唯一の成功例であること、そしてクルーゼ自身がムウ・ラ・フラガの父の遺伝子を受け継いだ「出来損ないの」クローンであることを、彼は自ら語る。さらに「すべての人類を裁く権利がある」と叫ぶことで、彼の目的が“勝利”ではなく“裁定”であると露わになる。自分が誰かの欲望の産物として作られ、しかも完全体になれなかったという事実が、彼の世界観の底に冷たい亀裂を刻み込む。

この思想は、ナチュラルとコーディネイターの対立を超えて、より広く「人は結局、知っても得ても変わらず、妬み、憎み、殺し合う」という人間観へ収束していく。だから彼は、どちらかの陣営の正義に寄り添わず、戦争そのものを“人類の業の証明”として機能させようとする。メンデル事件ののち、彼は捕虜のフレイにディスクを託して地球軍へ送り返し、それを戦争終結の「最後の扉」だと言い放つが、この行為自体が和平ではなく破滅へ向かう導火線として働く。和平の手段を装いながら、対立の燃料を最大化するのがクルーゼの流儀だ。

終盤、彼は「全ての人類を裁く」と明確に決意し、プロヴィデンスガンダムと共に出撃する。ジェネシス、ヤキン・ドゥーエ、核攻撃という“滅亡の選択肢”が並ぶ戦場で、彼は人類が自分自身を止められないことを証明しようとし、その証明の完成形としてキラとの決戦を選ぶ。最終話では、キラとクルーゼの死闘は相討ちへ到達し、戦争はようやく停戦へ向かうが、その代償として残ったのは夥しい残骸と喪失感だ。クルーゼの思想は「勝てば世界が良くなる」という発想を徹底的に否定し、「人が人である限り破局は繰り返す」という絶望を、戦場そのもので刻印するためにあったのだ。