ガンダムF91の対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ガンダムF91 vs アトラスガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs ガンダム試作3号機デンドロビウム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs Zガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs ZZガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs Hi-νガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムF91 vs ナイチンゲール | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムF91 vs クシャトリヤ | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs ユニコーンガンダム(結晶体) | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムF91 vs ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs ネオ・ジオング | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダムF91 vs Ξガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ガンダムF91 vs ゴトラタン | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
F91のヴェスバーとは
ガンダムF91の「ヴェスバー」は、背面に左右一対で装備されるV.S.B.R.(Variable Speed Beam Rifle/可変速ビーム・ライフル)を指す名称だ。携行火器というより、機体に組み込まれた高出力ビーム砲に近い性格を持つ。ガンダムF91は小型高性能MSとして設計されており、その機体コンセプトと矛盾しない形で「小さな機体に戦艦級の打撃力を載せる」ための要がヴェスバーになる。
V.S.B.R.の最大の特徴は、射撃のたびにビームの“性質”を撃ち分けられる点だ。一般的なビーム兵器が「同じ速度・同じ収束」で撃たれるのに対し、V.S.B.R.はビームの射出速度や収束の度合いを可変にして、貫通力を重視した高速・高収束の一撃と、破壊力や面制圧を重視した低速寄りの一撃を使い分ける思想で組まれている。結果として、同じ砲口から放たれる一射でも、狙う対象がラフレシア級の大型目標なのか、デナン・ゾンのような小型高速機なのかで最適解を変えられる。
搭載形態も、ヴェスバーの“兵器以上の価値”を強めている。ガンダムF91のヴェスバーは背面側に懸架され、展開して射角を確保しつつ撃つ構造を取る。収納時は機体シルエットを崩しにくく、展開時は高出力の射撃姿勢へ移れる。さらに背面装備である以上、姿勢制御や機動の邪魔になりやすい弱点を抱えるが、F91は高密度のスラスター配置やアポジモーター群によって、そのデメリットを最小化する方向でまとめ上げている。
一方で、運用上の癖ははっきりしている。固定武装に近い以上、携行ビーム・ライフルほど自由な射角を得にくく、撃つ瞬間の姿勢制御や間合いの取り方が重要になる。コロニー内部のような閉鎖空間では、射線上の障害物や民間区画を意識せざるを得ず、強力な火力がそのまま“撃ちづらさ”にも直結する。シーブック・アノーがガンダムF91を操縦していく過程では、ヴェスバーの優位性は「当てれば終わる」だけでなく、「当てるまでの判断と機動が難しい」こととセットで描かれる。
F91のMEPEとは
M.E.P.E.(Metal Peel-off Effect/金属剥離効果)は、ガンダムF91が最大稼働域へ踏み込んだ際に発生する現象だ。高機動・高出力運用によって機体表面が極端な熱負荷を受け、装甲表面のコーティングや微細加工層が“剥離する”ことで、強制的に放熱・冷却が進む。つまりMEPEは「残像を出すためのギミック」というより、極限稼働に伴う熱問題へ対処するための、機体構造側の挙動として理解するのが正確だ。
この剥離は同時に、ガンダムF91の周囲に“実体を伴う残像”のような視覚効果を生む。剥がれた粒子や薄膜が、機体の軌跡に沿って散布されることで、敵機側の目視だけでなく、センサー類にもノイズを与え得る。デナン・ゲーのような高機動MSが「今この瞬間のF91」を捕捉しようとしても、視界と計器が一致しない状況が起こり、照準の遅れや誤差が積み上がる。MEPEの厄介さは、速度そのものだけでなく、追尾と判断を同時に狂わせる点にある。
また、MEPEはガンダムF91の装甲構造であるMCA(Multiple Construction Armor)とも強く結びつく。MCAは軽量化と剛性確保を両立するための構造として語られ、F91の「15m級・高推力・高出力」という無理のある要求を成立させる土台になる。その代償として、最大稼働時の熱が装甲表面へ集中しやすく、結果として剥離=放熱が顕在化する。ここには「機体サイズを小さくしたからこそ、冷却に余裕がない」という設計上の必然がある。
だからこそMEPEは、常用の強化モードではなく、短時間で勝負を決めるための“無理の通し方”として映える。最大稼働の維持は機体に負担を与え、剥離が進めば表面状態も変化する。シーブック・アノーがガンダムF91を乗りこなしていく過程では、MEPEは「強いから使う」ではなく、「ここで使わなければ生き残れない」状況の象徴として立ち上がる。ラフレシアの圧倒的な面制圧やバグの惨禍といった極限の脅威に対し、F91が“限界の一歩先”へ踏み込むとき、MEPEが戦場の空気ごと変える。
シーブック・アノーとキンケドゥ・ナウ
シーブック・アノーは、フロンティアIVで暮らす学生として物語に入り、クロスボーン・バンガードの襲撃によって日常を断ち切られる。ガンダムF91の開発に関与する母モニカ・アノー、同級生のセシリー・フェアチャイルド、避難母艦スペース・アーク、そして鉄仮面カロッゾ・ロナやマイッツァー・ロナの存在が、シーブックの立ち位置を一気に戦争へ引き寄せる。シーブックは軍人ではなく、最初から英雄でもないが、コロニー崩壊とバグの殺戮を目撃したことで「見過ごせない」という倫理感を行動へ変えていく。
ガンダムF91でのシーブックは、強化人間やニュータイプの神秘に寄りかかるより、機体の癖を読み、状況判断で生き延びるタイプとして描かれる。ビーム・シールドの運用、ヴェスバーの射線管理、MEPEが絡む最大稼働のタイミングなど、機体性能の“使いどころ”を掴んでいくほど、戦い方が現実的になる。その現実感覚は、セシリー・フェアチャイルドがベラ・ロナとしてロナ家の渦中へ戻る展開とも噛み合い、シーブックに「個人の生活を守るだけでは終われない」局面を突きつける。
その後の物語で、シーブックは「キンケドゥ・ナウ」という偽名を名乗る。ここで重要なのは、キンケドゥが別人ではなく、シーブックが立場を変えて再び前線へ戻るための名前である点だ。公的にはシーブック・アノーが死亡扱いになっている事情が語られるため、表の社会へ戻るよりも、裏から地球圏の危機へ関与する道を選ぶ合理性が生まれる。セシリーもまたベラ・ロナとして動くことになり、二人は“本名で生きる人生”を一度棚上げして、戦いのための肩書きをまとう。
キンケドゥ・ナウとしてのシーブックは、宇宙海賊クロスボーン・バンガードに身を置き、クロスボーン・ガンダムX1を駆って木星帝国と対峙する。ここでのシーブックは、ガンダムF91のとき以上に、部隊運用や駆け引きの現実を知る人物として振る舞い、トビア・アロナクスの前では兄貴分としての顔も見せる。つまり「シーブック」と「キンケドゥ」は断絶ではなく、フロンティアIVで育った青年が、コスモ・バビロニア戦争を経て、さらに大きな脅威へ向き合うために“別の生き方”を選んだ連続線上の姿になる。
