ノイエ・ジールの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ノイエ・ジール vs エルメス | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ノイエ・ジール vs サイコ・ガンダム | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ノイエ・ジール vs ジ・O | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 敗北 |
| ノイエ・ジール vs ZZガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ノイエ・ジール vs ガンダムMk-V | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 敗北 |
| ノイエ・ジール vs Hi-νガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ノイエ・ジール vs α・アジール | 勝利 | 勝利 | 敗北 | 勝利 |
| ノイエ・ジール vs Ξガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
ノイエ・ジールの武装
ノイエ・ジール(NEUE ZIEL)は、アクシズで開発された巨大モビルアーマーで、アナベル・ガトーが搭乗した切り札として位置づけられる。機体コンセプトは「全身に強力なメガ粒子砲とミサイル兵装を持ち、艦隊戦を単機で崩す」方向に振り切られており、防御面ではIフィールド・ジェネレータによって対ビーム耐性を確保する。結果として、追撃艦隊の集中砲火を受け止めつつ、面制圧の火力で戦線を破断する設計思想が読み取れる。
ビーム兵装の中核は、メガ・カノン砲、偏向メガ粒子砲×9、メガ粒子砲×6という多砲門構成にある。偏向メガ粒子砲は、砲軸の自由度を活かして機体姿勢を大きく変えずに射界を取りやすく、回避運動を続けるモビルスーツや艦艇の回頭に合わせて掃射圧を維持できる。一方、メガ粒子砲×6は要所の射線を太くし、偏向砲の“散らし”に対して“刺し”の役割を担うため、近距離へ詰めて火力を押し付ける局面で決定力を補強する。
ミサイル兵装は、大型ミサイルランチャー×4と小型ミサイルランチャー×24が主軸になる。大型ミサイルはサラミス級などの艦艇に対して致命的損傷を狙う打撃手段であり、推進剤や艦橋区画への圧力としても機能する。小型ミサイルは迎撃網を飽和させる目的で大量運用され、偏向メガ粒子砲の掃射で回避コースを限定し、小型ミサイルの散布で逃げ道を塞ぎ、大型ミサイルとメガ粒子砲で止めを刺す、という対艦隊戦の分業が成立しやすい。
ノイエ・ジールを象徴するのが有線クローアーム×2で、射出・捕縛・引き寄せによって近距離の主導権を奪う。遠距離での多砲門飽和攻撃だけでなく、距離が詰まった瞬間に“拘束→追撃”へ移行できるため、戦闘レンジの移り変わりに強い。また資料によっては、クローアームがメガ・カノン砲運用やビームサーベル相当の格闘機能と結び付けて語られることもあり、砲撃・ミサイル・捕縛・切断までを単機で完結させる点が、ノイエ・ジールの武装体系の恐ろしさになる。
アナベル・ガトーの思想
アナベル・ガトーは、旧ジオン公国軍の宇宙攻撃軍エースとして「ソロモンの悪夢」と呼ばれ、ガンダム試作2号機GP02Aとノイエ・ジールに搭乗した人物として語られる。その人物像の核は、エギーユ・デラーズへの心酔に裏打ちされた、愚直なまでの理想主義にある。裏表のない高潔さと、軍人としての矜持を前面に出す態度は部下の信頼を集める一方、目的のために手段を選ばないタイプや、計略で立ち回る人物を強く嫌悪する。
この理想主義は、敗戦期の選択に最も濃く表れる。ガトーはア・バオア・クーを死地と定めるような覚悟を抱きつつも、デラーズの言葉に従って雌伏を選ぶ。ここで重要なのは、ガトーの忠誠が“勝ち馬に乗る”現実主義ではなく、敗北を抱えたまま理念を守り、次の機会に理念を再点火するために生き延びる、殉教に近い忠義である点だ。生存が目的ではなく、使命を完遂するための生存であり、個の幸福は後景に退く。
U.C.0083の星の屑作戦において、ガトーはコードネーム「バルフィッシュ」として先鋒に立ち、GP02A奪取から核攻撃、コロニー落着の最終局面へ突き進む。この一連の行動に共通するのは、戦術的勝利よりも歴史的効果を優先する発想だ。地球連邦軍の権威を揺さぶり、ジオン残党の求心力を回復させる象徴的成果の獲得こそが目的であり、個々の戦闘での損耗や局地的な優劣は、作戦全体の“意味”の前では二次的になる。
ただし、その信念は他者理解の柔軟さとは両立しにくい。ガトーはシーマ・ガラハウのような“腹黒さ”を嫌悪し、同じ陣営でも価値観が合わない相手を許容しづらい。また雌伏期にニナ・パープルトンとの関係が生まれても、時満ちれば私情より使命を優先して切り捨てる冷徹さを見せる。最終的にノイエ・ジールで連邦艦隊へ戦いを挑み、残存兵をアクシズ艦隊へ到達させるために特攻して果てた結末は、ガトーの思想が「自己保存」ではなく「理念の継承」によって完結することを端的に示す。
