ディビニダド

ディビニダドの対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
ディビニダド vs Hi-νガンダム 敗北 勝利 敗北 勝利
ディビニダド vs ナイチンゲール 勝利 勝利 勝利 勝利
ディビニダド vs Ξガンダム 勝利 勝利 勝利 勝利

ディビニダドの武装

ディビニダド(EMA-10)は木星帝国が地球圏に突きつけた“最終回答”として設計された巨大モビルアーマーで、クラックス・ドゥガチの座乗機という位置づけがそのまま兵装思想を規定している。多枚翼を思わせる外装と異形の頭部を持ち、単に武器を積むのではなく、機体構造そのものが弾庫・砲塔・推進器・装甲を兼ねる「兵器の集合体」として成立している点が特徴だ。木星帝国の技術体系――ジュピトリス級の運用思想、デス・ゲイルズの重装甲設計、サイコミュ兵器の運用経験――を一機に凝縮したような存在だ。

近接武装の核は両腕の巨大クローで、マニピュレーターというより“破砕具”としての性格が強い。クロスボーン・バンガードのMSを掴み、装甲ごと捻り折る、あるいは艦艇に取り付いて外板を引き裂くといった、質量と腕力を前提にした制圧を行う。さらに両腕部にはビームシールド発生器を備え、格闘距離での射撃・ビームサーベル斬撃を「受け止めて押し返す」運用が可能になる。巨大クロー+ビームシールドの組み合わせにより、相手が懐へ飛び込んだ瞬間に“防御→拘束→破壊”を連結しやすい構造になっている。

射撃武装は頭部周辺に集約され、中型メガ・ビーム砲が正面制圧を担い、頭頂部の超大型メガ・ビーム砲が決戦火力として機能する。中型は複数目標への連続照射や接近阻止に向き、超大型は艦隊の隊列や拠点を“面”で薙ぐための一撃として意味を持つ。木星帝国が得意とする高出力メガ粒子砲の系譜を引きつつ、ディビニダドの場合は巨体ゆえの発電余力と放熱余地を火力へ全振りしており、「撃てば戦場の前提が変わる」種類の砲撃に到達している。

そして最大の特徴が、背部コンテナに多数搭載するフェザー・ファンネルと、機体内部・外装に抱え込む核ミサイル群だ。フェザー・ファンネルはオールレンジ攻撃で包囲網を形成し、撃ち落とされても体当たりで破壊を狙える“飛翔する刃”として扱われる。核ミサイルは単なる弾頭ではなく、「撃破されても地球を道連れにする」という思想を武装に焼き付けた存在で、ディビニダドの戦い方は“勝っても負けても地球が傷つく”ように設計されている。つまり、この機体の武装体系は戦術のためではなく目的――地球圏の破滅――のために最適化された構造だ。

クラックス・ドゥガチの思想

クラックス・ドゥガチは木星帝国の総統として、木星圏の苛烈な環境で国家を成立させた建国者の自負を持ち、その自負がやがて地球圏への怨念と結びついていく人物だ。彼は地球連邦政府が享受する豊かな地球環境と、木星圏で生きる者の過酷さを鋭く対比し、援助や理解を欠いた地球圏の態度を「奪う側の鈍感」として憎む。だからこそ、木星帝国が掲げる対外的大義――地球圏への進出、資源と生存圏の獲得――とは別に、彼の内面では“地球そのものの否定”が最終目標へと肥大化していく。

この思想の怖さは、合理の顔をした情念にある点だ。木星圏の開拓史、ジュピトリスの航路、補給線、人口維持、技術開発といった現実の積み重ねを語りながら、その結論を「地球の生命を焼き尽くす」に接続してしまう。占領して支配するのではなく、地球圏の“存在理由”を消すことこそが決着だとみなすため、交渉や妥協が成立しにくい。木星帝国の戦争が、領土争いではなく“世界観の清算”として駆動してしまうところに、ドゥガチの思想の根深さがある。

運用面では、ドゥガチは権力を「個人の脆さ」から切り離すために、バイオ脳を搭載した人形=影武者を用いる発想へ到達する。総統が複数存在するように見せ、暗殺やクーデターの成功条件を曖昧化し、国家を自分の意思で固定するための装置として使うわけだ。さらに計画の核心――地球の占領ではなく地球環境そのものの破壊――は上層部の限られた者だけが把握し、一般の兵士や官僚には「木星の生存のため」という名目が配布される。理念を二重化し、国家全体を怨念のエンジンとして回すのがドゥガチの統治だ。

最終局面で、ドゥガチの思想はディビニダドという“形”に結晶する。フェザー・ファンネルによる包囲殲滅、メガ・ビーム砲による戦場の再定義、核ミサイルによる相互破滅の強制――それらは戦術上の強さ以上に、「地球が滅びる光景」を目的化した彼の願望を具現化したものだ。トビア・アロナクスやキンケドゥ・ナウ(シーブック・アノー)との対立は、単なる敵味方の構図ではなく、未来を肯定する側と世界を否定する側の衝突として描かれる。ドゥガチは建国者としての誇りを守るために地球を憎み、憎しみを完遂するために国家と兵器を使う、その循環から抜け出せない存在として立ち上がるのだ。