トールギスⅢ

トールギスⅢの対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
トールギスⅢ vs ウイングガンダムゼロ(EW版) 勝利 相討 勝利 相討
トールギスⅢ vs ガンダムデスサイズヘル(EW版) 勝利 勝利 勝利 勝利
トールギスⅢ vs ガンダムヘビーアームズ改(EW版) 勝利 勝利 勝利 勝利
トールギスⅢ vs ガンダムサンドロック改(EW版) 勝利 勝利 勝利 勝利
トールギスⅢ vs アルトロンガンダム(EW版) 勝利 勝利 勝利 勝利
トールギスⅢ vs トールギスⅡ 勝利 勝利 勝利 勝利

トールギスⅢの武装

トールギスⅢは型式番号OZ-00MS2Bを冠し、トールギスⅡと同時期に用意された「3号機」に位置づけられる機体だ。運用局面としては、プリベンターに合流した“火消しの風”プリベンター・ウインド(ゼクス・マーキス)が、A.C.196のマリーメイア軍との戦いで搭乗するのが象徴的で、武装もその「短期決戦・制圧・鎮圧」に寄せて研ぎ澄まされている。基本装備は、バルカン×2、ビームサーベル×2、ヒートロッド、メガキャノンという、点数は少ないが役割が重複しにくいセットだ。

主砲に当たるメガキャノンは、右肩に固定装備される大型ビーム砲で、トールギスⅢの「一撃で戦況を変える」性格を決定づける。砲自体が肩部に載っているため、射角の取り方が“機体ごと向き直る”運用になりやすく、射線確保→姿勢制御→一射離脱のリズムが前提になる。最大出力モードでは砲身が伸長して強烈な一撃を放つイメージが強く、展開して撃つ、撃ち切ったら即座に離脱する、という使い方が似合う。

近接と捕縛を担うのが、左肩の大型シールドに内蔵されたヒートロッドと、同じくシールドに収容される2本のビームサーベルだ。シールドは防御面積が大きいだけでなく、内部に格闘兵装をまとめて格納する設計思想があり、抜刀・展開までの動線が短い。ヒートロッドはガンダムエピオン系を連想させる鞭状兵装で、拘束、転倒、引き寄せを一連で行えるのが強みになり、相手の機動自由度を奪ってからサーベル戦へ移行する手順を組み立てやすい。

残るバルカン×2は頭部内蔵の固定武装で、ミサイル迎撃・牽制・センサー潰し・死角の払い落としといった“接触前の細工”を担う。トールギスⅢの武装構成は、フルアーマー型のように手数で押すのではなく、バルカンで相手の姿勢や射撃タイミングを崩し、ヒートロッドで足と間合いを奪い、最後にビームサーベルで決めるか、逆に距離が開いた瞬間をメガキャノンで刈り取る、という「制圧の手順」を作りやすい。武装名の羅列だけを見るとシンプルだが、シールドを中核にした一体運用が成立していて、プリベンター・ウインドの鎮圧戦という文脈に噛み合う完成度の高いセットになっている。

ゼクス・マーキスの思想とパイロット能力

ゼクス・マーキスは、OZのエースパイロットとして仮面を付けて表舞台に立つ男で、その出発点は「ある復讐」のためという、極めて個人的で尖った動機にある。一方で、その正体がピースクラフト家の遺児、つまりリリーナ・ピースクラフトの兄であることが示され、彼の戦いが“家と国家の喪失”に根を持つことが輪郭を得る。仮面=復讐=軍人という外形は冷徹だが、ピースクラフト家という出自が、非武装平和の理念(サンクキングダム)と、武力による決着という現実の間で彼を引き裂く装置として機能する。

思想面の核は、理想を捨てて現実に屈したのではなく、「平和を実現するための条件」を戦いの中で更新し続ける点にある。終盤、ヒイロ・ユイとの最終局面で、彼は平和に足りない最後の要素として、他者への思いやりと理解を挙げる趣旨の言葉を返している。これは、武力で脅して静まらせる平和(恐怖による抑止)から、相手を人として理解する平和(関係の再構築)へと、ミリアルド・ピースクラフトとしての結論を寄せていったことを示す発言だ。復讐から始まったゼクスが、最後は「人間への信頼」を条件に据えるところまで到達する落差が、キャラクターの骨格になる。

同時に、ゼクスは常に組織と役割に縛られる。OZという軍事組織の“顔”としてガンダムに対峙し、のちにミリアルド・ピースクラフトとして別の旗を掲げ、さらにプリベンターとしてA.C.196のマリーメイア軍蜂起を鎮圧する側に回る。彼は単発の“裏切り者”ではなく、時代ごとに「戦う理由の定義」を変え、必要なら立場すら変えながら、それでも“平和”というゴールへの執着だけは捨てないタイプだ。ゼクスという名前そのものが、仮面の象徴であると同時に、変化し続ける意志の表札にもなっている。

パイロット能力は、第一に「判断の速さ」と「状況の冷却」に現れる。激情や衝動に呑まれそうな瞬間でも、戦場では一瞬で頭を切り替え、目的に沿って最短の手を選ぶ。第二に、トールギス系を乗りこなす身体能力と操縦技量だ。トールギスは高性能な試作機である一方、人間の体に過酷な負担を強いる欠陥を抱えており、ゼクスはその機体を実戦級に仕上げて結果を出していく。高負荷機を扱うには、Gへの耐性だけでなく、スラスターの噴かし方、姿勢制御、間合いの作り方まで含めた“機体に殺されない操縦”が要る。メガキャノンで射線を通し、ヒートロッドで相手の自由を奪い、ビームサーベルで決着させる――トールギスⅢの武装が要求する段取りを、ゼクスは冷静さと踏み込みの速さで成立させるエースだと言える。