ガンダム・バエルの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ガンダム・バエル vs バルバトス・ルプスレクス | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダム・バエル vs ガンダム・キマリスヴィダール | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
| ガンダム・バエル vs レギンレイズ・ジュリア | 勝利 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
ガンダム・バエルの武装
ガンダム・バエル(ASW-G-01)の武装構成は、ガンダム・フレーム第1号機という象徴性と「厄祭戦当時の姿のまま現存する」という特殊な来歴に強く縛られた、極端にシンプルな体系だ。劇中でも“錦の御旗”として担ぎ上げられる一方、実戦装備はバエル・ソード×2と電磁砲×2にほぼ集約される。純白の機体色、背部の可変式スラスターウィング、左肩の角笛エンブレムといった外観要素と同様に、武装も「余計なものを持たない」思想が前面に出る。さらにコックピットを含む阿頼耶識システム対応が“当時のまま”である点が、武装運用の前提(操縦要求・機体反応・立ち回り)を決定づける。
主武装のバエル・ソードは、背部のブレードホルダーに2基装備される実体剣で、希少金属を錬成して生成されたとされる。金色に輝く刃は視覚的な威圧だけでなく、格闘戦での継続使用を想定した耐久性が強調されており、「抜刀→斬撃→次撃」のテンポを落とさずに振り回せること自体が強みになる。二刀流を前提にした機体バランスのため、片手斬り・逆手取り・左右同時の交差斬りなど、間合い管理と姿勢制御を“剣の本数で補強する”方向に戦術が伸びる。結果として、盾や大型火器で守りを固めるのではなく、斬撃線と推進制御で被弾自体を減らす設計思想が読み取れる。
背部のスラスターウィングは、バエルの武装であると同時に機動そのものを武器化する装置だ。可動式スラスターとして宇宙だけでなく地上でも圧倒的な加速力と機動性を発揮し、剣で詰めるための初速・旋回・急制動を作り出す。しかも内部に「牽制用の射撃兵装」として電磁砲を備えるため、接近一辺倒になりがちな剣機の弱点(迎撃射撃での足止め)を最低限カバーできる。装備は希少金属ソードの二刀流と翼部のレールガン(電磁砲)に絞られ、当初はレールガンすら付けないつもりだった、という“削ぎ落とし”が語られている。
電磁砲は「決定打」よりも、剣撃が通る状況を作る“前処理”として光る。推進で相手の死角へ滑り込みつつ、ウィング内蔵の電磁砲で姿勢制御用スラスターや武装保持部を狙い、体勢を崩した瞬間にバエル・ソードで断ち切る、という流れが最もバエルらしい。加えて、機構・武装・阿頼耶識システムが厄祭戦当時のままだとされ、能力を最大限に発揮するにはパイロットに高い技量が求められる点が重要だ。つまり「武装の少なさ=弱点」ではなく、「少ない武装を高精度で回す前提=操縦者の腕前がそのまま戦闘力になる」という設計になっている。
マクギリス・ファリドの思想とパイロット能力
マクギリス・ファリドは、ギャラルホルンの若い特務部隊少佐として火星支部監査に現れる時点で「有能」かつ「優秀なパイロット」と明記され、自身のシュヴァルベ・グレイズを保有する人物として描かれる。第2期ではカルタ・イシューの死後、地球外縁軌道統制統合艦隊司令に就任し、地球各経済圏のギャラルホルン不信の払拭に努める一方、ファリド家代表としてセブンスターズ会議に参加して影響力を拡大する。つまり前線の腕だけでなく、組織の“中枢に近い座標”を確保する政治力も同時に積み上げていく。
思想の核は「内側からの改革」と「象徴の奪取」だ。組織内部から改革を断行する強い決意を抱え、全権掌握の最終手段としてギャラルホルン地球本部ヴィーンゴールヴ深部に安置されていたガンダム・バエルを手に入れ、自身がそのパイロットとして出撃したとされる。ここで重要なのは、バエルが単なる高性能機ではなく、創始者アグニカ・カイエルの“魂が宿る”と信じられ神格化された機体である点で、マクギリスはその伝承を現実のクーデターの推進力に変換しようとした。実際、地球本部が若い将校によるクーデターで掌握され、その渦中にマクギリスがいることも描写される。
彼の行動原理を補強する周辺設定として、イズナリオ・ファリドが「養父」であり、ファリド家当主であること、そしてアルミリア・ボードウィンが「ガエリオの妹でマクギリスの婚約者」であることが押さえられている。つまりマクギリスは、セブンスターズ内部の血統・婚約・後見といった“旧来の支配装置”のただ中に身を置きながら、それを踏み台にしてギャラルホルンそのものを作り替えようとした。表向きは秩序維持機構の将校、裏では秩序設計そのものを更新する革命家、という二重性がここで成立する。
パイロット能力は「機体選択」と「機体要求への適応」で測ると輪郭がはっきりする。シュヴァルベ・グレイズ(マクギリス機)はグレイズ試作機を高機動化したカスタム機であり、まず彼が推進性能を軸に戦う操縦者であることを示す。続くグリムゲルデは両腕シールドのブレードを主武装とする近接寄りのヴァルキュリア・フレームで、剣戟の間合い・角度・タイミングを“腕前で通す”機体だ。そして最終的にガンダム・バエルへ到達するが、バエルは阿頼耶識システム対応型のままで、能力を最大限に引き出すには高い技量が求められるとされる。加えて、マクギリスはバエル起動のため自身に阿頼耶識手術を施した、という設定もあり、操縦者側の条件まで自分で整えてしまう執念が、操縦適性の“作り込み”として表れている。さらに「モンターク商会」という別の顔で戦力を動かし、所有権や偽装を絡めて部下の石動・カミーチェにヘルムヴィーゲ・リンカーを運用させるなど、戦場の外側(調達・秘匿・配置)まで含めて“戦いを設計する”点も彼の強みだ。
