ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ

ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブの対戦一覧表

対戦カード 宇宙・中距離 宇宙・近距離 宇宙・遠距離 地上
ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ vs ガンダムダブルエックス 敗北 敗北 敗北 敗北
ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ vs ガンダムXディバイダー 勝利 勝利 勝利 勝利
ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ vs ガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク 敗北 勝利 敗北 敗北
ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ vs ガンダムヌーヴェル 敗北 勝利 敗北 敗北

ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブの武装

ガンダムアシュタロン・ハーミットクラブ(NRX-0015-HC)は、ガンダムアシュタロンをベースに新連邦軍が再設計した改修機で、巨大な一体型バックパックによる推進力強化と、MA形態への変形を前提にした“捕縛・拘束からの必殺”を突き詰めた機体だ。名称の「ハーミットクラブ」が「ヤドカリ」を意味する通り、背面ユニットは機体のシルエットと運用思想そのものを規定し、武装の多くもこのバックパック周辺に集約される。主な搭乗者はオルバ・フロストで、終盤の宇宙局面を想定した武装更新が特徴だ。

主兵装は、アトミック・シザーズをさらに大型化したギガンティック・シザーズ×2だ。単なる“刃”ではなく、相手MSを掴み上げて姿勢を崩し、装甲材の継ぎ目や関節部に圧力を集中させて破断させる捕縛具として機能する。動作は荒々しい力任せではなく、相手機の推力方向と慣性を読んで「逃げられない角度」に噛み合わせるのが肝で、オルバの操縦はそこで冷徹な合理性が光る。さらにシザーズには射撃機構が統合され、拘束したまま次段へ移れる“捕まえたら終わり”の設計になっている。

中距離・近距離の自衛と追い込みを担うのが、シザーズに内蔵されたシザーズビームキャノン×2、機体側のマシンキャノン×2、そしてビームサーベル×2だ。マシンキャノンは牽制と姿勢制御の補助に回されやすく、ビームサーベルは“仕留めの選択肢”として温存される傾向が強い。たとえば、ビームサーベルでの斬り合いを最初から狙うより、マシンキャノンで推進剤やセンサーを削って機動を鈍らせ、ギガンティック・シザーズで拘束、シザーズビームキャノンで至近距離から貫通させる流れが機体コンセプトに合致する。

そして象徴的な最終兵装がサテライトランチャーだ。これはアシュタロン・ハーミットクラブ単独で完結する砲ではなく、MA形態でガンダムヴァサーゴ・チェストブレイクと連結し、ヴァサーゴ側の受信・蓄積機構で得たスーパーマイクロウェーブのエネルギーを、ランチャー砲身へ供給して放つ連携兵器として描かれる。運用思想はサテライトシステムの延長線上にあり、月面送信施設からのマイクロウェーブを受け、蓄え、放つという流れそのものが必殺の儀式になる。火力はツインサテライトキャノン級と語られることもあり、終盤の戦略バランスを一撃でひっくり返す“政治ごと蒸発させる”類の破壊力を担う。

オルバ・フロストの思想とパイロット能力

オルバ・フロストはシャギア・フロストの双子の弟で、ニュータイプ研究の枠組みから「カテゴリーF」として扱われた経歴が、行動原理の芯になっている。生まれつきの感応資質を持ちながら、フラッシュシステム起動の可否という“制度上の線引き”で価値を否定され、紛い物として分類されること自体が屈辱であり、その屈辱が人類社会への怨恨へ直結する。だからこそ新連邦軍という権力装置に身を置いても忠誠はなく、利用し、踏み台にし、最後は焼き払うという発想へ迷いなく進む。

思想面で特徴的なのは、復讐を“感情の爆発”で終わらせず、世界の構造そのものをねじ曲げる工程として設計している点だ。表向きはエージェントとして立ち回り、必要ならフリーデンにも潜り込み、宇宙革命軍、そして新連邦軍の上層部まで同列に「使う対象」として扱う。兄シャギアが冷静沈着な戦略家だとすれば、オルバはもう少し熱を帯びやすく、短気や衝動が表に出る場面もあるが、決定的な局面では兄の指示に従い、目的達成を優先する現実主義へ収束する。

パイロット能力は“強い機体に乗っているから強い”で片づかない。オルバはガンダムアシュタロン、さらにガンダムアシュタロン・ハーミットクラブという癖の強い捕縛型可変MSを乗りこなし、近接拘束から射撃へ切り替える判断が速い。ニュータイプ資質そのものは強くないとされつつも、シャギアとの間に長距離でも成立する精神感応能力があり、状況共有と意思疎通が途切れないことが最大の武器になる。潜入時に艦内から離れた位置にいるシャギアへ思念を送り、常時情報交換していたという描写は、戦術だけでなく諜報活動そのものを“二人で一つの頭脳”として運用していた証拠だ。

実戦では、単機の格闘戦で華を咲かせるタイプというより、シャギアのガンダムヴァサーゴ(後にガンダムヴァサーゴ・チェストブレイク)と噛み合った時に凶悪さが跳ね上がる。アシュタロン・ハーミットクラブのギガンティック・シザーズで相手を拘束し、射線と距離を固定したところへ、兄弟連携で畳みかける運用が成立するからだ。最終局面ではサテライトランチャーを装備し、ザイデル総統やブラッドマン総司令を一撃で蒸発させたと説明されるなど、彼の“政治的標的を火力で消す”という思考が、そのまま戦果として表面化する。月面D.O.M.Eでガンダムダブルエックスと対峙した結末まで含め、オルバの戦い方は、怨恨と合理主義が同居した冷たい必然として貫かれている。