ダリルバルデの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ダリルバルデ vs ガンダム・キャリバーン | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ダリルバルデ vs ガンダム・エアリアル | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ダリルバルデ vs ガンダム・シュバルゼッテ | 勝利 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
| ダリルバルデ vs ガンダム・ファラクト | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
ダリルバルデの武装
ダリルバルデ(MD-0064)はジェターク社が開発した第5世代実証機で、禁止されたGUNDフォーマットの代替として「意思拡張AI」を中核に据え、機体そのものを“正当進化形”として成立させた設計思想が特徴だ。特に四肢を含むドローン兵器群を前提に「操作感覚の整合性」を取る発想が徹底され、アスティカシア高等専門学園の決闘ルール下でも、単純な火力より「自律・連携・拘束・追撃」を積み上げる構成になっている。パイロットのグエル・ジェタークが操縦する際も、単機の剣戟ではなく、AIが予測した手順を“噛み合わせる”ことで優位を作るタイプのMSだ。
主兵装の中心はビームジャベリンで、錨状のビームアンカーと爪状のビームクナイに分割できる点がまず厄介だ。長尺状態ではリーチと面制圧で間合いを支配し、分割後はアンカーで引っ掛け・制動・崩しを狙い、クナイで刺突や死角からの追い込みに繋げられる。さらにエネルギー供給が両腕を介する直結式として説明され、ビーム双刃の高い切断力を出しやすい“押し込み型”の近接武装として運用される。つまり「当てて終わり」ではなく、体勢を奪ってから刃を走らせる、ジェターク流の荒々しい格闘と相性が良い武器体系だ。
攻撃面の主役が攻撃用ドローン「イーシュヴァラ」だ。前腕が分離するイーシュヴァラAタイプ×2と、背部装着のイーシュヴァラBタイプ×2で構成され、Aタイプはアンカー/クナイを保持したまま運用できる一方、Bタイプはビーム砲/ビームサーベル内蔵で遠近に対応できる。さらにBタイプはAタイプに代わって上腕部と連結することでサーベル出力を最大化できるとされ、状況に応じて「本体の腕として握る」「射出して切り刻む」「連結して最大出力で斬る」を切り替えられるのが強みだ。シーズン進行後には、内蔵式ワイヤーで拘束した敵機ごと自爆する「グスサー・イーシュヴァラ」×4が追加され、牽制→拘束→確殺という“詰め”の選択肢がさらに増える。
防御と崩しの要が、両肩にマウントされたシールド型ドローン「アンビカー」×2と、足首の爪を有線射出して拘束後に電撃を見舞う「シャクルクロウ」×2だ。アンビカーは意思拡張AIによる自律防御が前提で、撃ち合いの最中でも“勝手に盾が寄る”挙動を作れるのが強烈で、後には推進機能を高めた大型の「ダヤ・アンビカー」×2へ換装される。加えて頭部のビームバルカン×2、両膝ニークラッシャーから射出されるマイクロ機雷「ペレットマイン」×8で視界・進路・姿勢制御を乱し、最終的には「コンポジットアームズ」として、二つの銃口(通常弾用/散弾用)を持つビームショットライフルと、実体刀身に沿ってビーム刃を形成するビームカタナ+鍔部ビームガンのガンブレイドを連結して押し付ける。撃つ、止める、縫い留める、斬る——その順番をAIとパイロット技能で組み上げるのが、ダリルバルデの武装体系の肝だ。
グエル・ジェタークの思想とパイロット能力
グエル・ジェタークはベネリットグループ御三家の一角、ジェターク社(ジェターク・ヘビー・マシーナリー)を背負う御曹司で、アスティカシア高等専門学園パイロット科3年、学籍番号KP001、ジェターク寮の寮長にして決闘委員会の筆頭という“制度の中心”に立つ男だ。気性は荒く熱くなりやすいが、決闘者としては真摯で公正な一面を持ち、将来的にカテドラル配下の特殊部隊ドミニコス隊入りを目指して鍛錬を重ねるという志向が明記されている。つまり出自は特権側でも、理想像は「腕で認められ、組織で戦う」軍人型のエリートであり、そこに彼の思想の原型がある。
序盤の彼は、デリング・レンブランが決闘制度とホルダーの婚約権を結びつけた学園環境のなかで、ミオリネ・レンブランを“景品”のように扱い、26戦全勝のホルダーとして横暴に振る舞う。しかしスレッタ・マーキュリーとガンダム・エアリアルに敗北し、地位と自尊心を同時に失ったことで、彼の価値観は否応なく現実に引き戻される。再決闘でダリルバルデを与えられた際も、戦場の細工や機体の仕込みで勝利を欲するヴィム・ジェタークの姿勢に反発し、終盤は自分の技量のみで堂々と戦って惜敗するという選択を取る。この「勝つためなら何でもやる」ではなく、「勝つなら腕で勝つ」という一点が、グエルの芯として以後も残り続ける。
パイロット能力の具体像は、“剛腕”だけでは説明しきれない。エアリアル戦以降も、エラン・ケレスへの怒りから決闘を挑んで敗北し、退寮・退学の危機を経て、やがて「ボブ」と名乗って輸送会社で下働きするまで落ちるが、それでも操縦の勘は鈍らない。プラント・クエタへの道中で艦がフォルドの夜明けに占拠された局面では、敵MSデスルターを強奪して戦場に介入しようとし、結果としてディランザ・ソルで襲い掛かってきたヴィムの命を誤って奪うという最悪の傷を負う。それでも地球での戦いでシーシアの最期を看取り、ジェターク社の経営危機を立て直すために学園へ戻るという“責任の方向”へ舵を切る。腕前は、勝利のための技巧ではなく、敗北と喪失を抱えたまま操縦桿を握り直す精神耐性と結びついていく。
思想面の到達点は、「勝敗」より「背負うべき罪と役割」を優先する地点にある。ミオリネからスレッタとの3度目の決闘を要請された際、グエルは父を誤って殺したトラウマに翻弄されながらも、ダリルバルデの意思拡張AIの補助やエアリアルの緊急停止にも助けられつつ勝利を掴み、さらにシャディク・ゼネリとの死闘にも勝ち切る。終盤にはスレッタへフェンシングでの決闘を提案し、自分がホルダーの地位を返上してでも彼女を前へ進ませる役を引き受ける。そしてクワイエット・ゼロ戦では専用ディランザで出撃し、完成直後のガンダム・シュバルゼッテで錯乱したラウダ・ニールを身を挺して止める。かつて“称号”にしがみついた男が、最後は“称号を捨てて誰かを止める”側に回る——そこにグエル・ジェタークの思想の変化と、パイロットとしての成熟が凝縮されている。
