ダハックの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ダハック vs G-セルフ(パーフェクトパック) | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ダハック vs G-ルシファー | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
| ダハック vs カバカーリー | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 敗北 |
| ダハック vs ジャスティマ | 勝利 | 勝利 | 勝利 | 勝利 |
| ダハック vs ユグドラシル | 勝利 | 勝利 | 敗北 | 勝利 |
ダハックの武装
ダハックは外装ユニット「ダーマ」内に格納され、長距離航行と奇襲投入を前提にした構想を背負うモビルスーツだ。ジット・ラボラトリィ系の技術背景と連動するように、武装は「手に持つ銃器」に依存せず、背部と掌部の機構だけで戦闘を完結させる方向へ徹底されている。結果として、装備点数が少ないのに戦術の幅が広いという、設計思想の濃い機体像が立ち上がる。
主兵装は背部に搭載された4基の「アームド・アーム」だ。多関節のアームが伸縮・旋回し、先端ユニットがビーム砲として射撃を担う一方、瞬時にビーム・サーベル形成へ切り替えて斬撃にも転用できる。4本という本数がそのまま死角の消去と同時攻撃の手数になり、正面を向いたままでも左右後方へ射線や間合いを作れる。姿勢制約を減らしつつ火力と格闘圧を両立する点が、ダハックの攻撃性の中核になる。
もう一つの核は掌部の「プランダー」だ。接触を条件にフォトン・エネルギーやビームを吸収し、状況によっては吸収を利用して防御的なビーム・バリア運用にもつなげる。フォトン・バッテリーが戦闘継続の生命線になるリギルド・センチュリー世界では、撃ち合いの勝敗を「装甲の厚さ」ではなく「エネルギー収支」で崩しうるため、プランダーは単なる盾ではなく相手の攻撃そのものを資源化する反則級の性質を持つ。
アームド・アームとプランダーの組み合わせは、戦い方そのものを指定する。まずプランダーで相手のビームや出力を受け、動きを止めた瞬間に4本アームのサーベル化で切り刻む。逆に距離があるならアーム砲の多角射で逃げ場を奪い、詰める過程でバリア的運用を噛ませて被弾を減らす。手持ち火器を持たない代わりに、背中と掌で射撃・格闘・防御・継戦を循環させるため、操縦者には距離感と切替タイミングの精度が強く求められる。
クリム・ニックの思想とパイロット能力
クリム・ニックはアメリア大統領の息子として登場し、政治的な背景と戦場でのスター性を併せ持つ人物として描かれる。海賊部隊に関わり「モンテーロ」で前線に立ち、アイーダ・スルガン救出の実行役として行動する一方、やがてアメリア本国に戻って航宙艦「サラマンドラ」に座乗し、宇宙作戦へ深く踏み込む。搭乗機がモンテーロから青いジャハナム、終盤のダハックへ移っていく流れは、立場が「派手な切り込み役」から「艦隊運用と戦闘指揮を担う側」へ広がっていく軌跡でもある。
思想の核は、強烈な上昇志向と「勝てる側に立つ」という確信だ。正義感が皆無というより、目的を達成するための合理性が先に立ち、陣営や立場をまたぐことへの心理的ハードルが低い。結果として、救出や作戦成功という大義を掲げつつも、状況が変わればサラマンドラの任務遂行へ滑らかに接続する。さらに、G-セルフを動かせるラライヤ・マンディに強い関心を示し、能力と機体を“資源”として最短で動かそうとする現実主義も表に出る。
パイロット能力は「天才」の一言で片づけられがちだが、中身は適応力の速さと機体特性の把握にある。モンテーロでは高機動戦の読み合いとタイミング勝負をこなし、宇宙に上がってからはジャハナムで速度域の違う戦場へ身体ごと合わせていく。もちろん無敵ではなく、マスク率いる部隊の急襲で主導権を奪われる場面もあるが、そこで破滅的に突っ込まず、生き残りの判断へ切り替えて次の局面に繋ぐ冷静さがある。反射神経だけでなく、戦況認識と撤退判断が速いタイプのエースだ。
指揮官としての資質は、サラマンドラの隊長格として部隊を動かす場面で強く出る。自分が前に出て戦果を誇示するスター性と、艦隊戦の現実を回して勝ち筋へ寄せる運用感覚を同居させるからだ。上昇志向ゆえの無茶や見栄は危うさにもなるが、その危うさがダハックのような癖の強い機体と噛み合うと、攻防一体の判断速度として結実する。ベルリ・ゼナムやマスクとは別ベクトルで、要領と才覚で戦場を泳ぐエース像がクリムの輪郭になる。
