Ex-Sガンダムの対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| Ex-Sガンダム vs キュベレイ | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 相討 |
| Ex-Sガンダム vs ZZガンダム | 勝利 | 敗北 | 勝利 | 敗北 |
| Ex-Sガンダム vs Hi-νガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| Ex-Sガンダム vs ナイチンゲール | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| Ex-Sガンダム vs Ξガンダム | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| Ex-Sガンダム vs ガイア・ギアα | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
Ex-Sガンダムの武装
Ex-Sガンダムは、Sガンダムの運用思想を「長距離射撃の主砲」「中距離の手数」「近接の最低限」「瞬間防御」に分解し、それぞれを重ねて成立させた強化形態として描かれる。中核となるのは、MS本体の固定武装だけで戦うのではなく、戦域・任務に応じて追加兵装を組み合わせ、火力・射角・継戦能力を一段引き上げるという設計思想だ。Sガンダムの機動性とフレーム構造を土台に、ブースター・ユニットを含む増加装備を前提とした武装構成へ寄せている点が、Ex-Sの特徴になる。
遠距離火力の象徴がビーム・スマートガンだ。一般的なビーム・ライフルと違い、単なる携行銃ではなく、エネルギー供給を含めた“システム”として運用され、射撃時の姿勢・エネルギー供給・照準補助までが一体化している。結果として、単発威力と射程、そして「一撃で戦況を動かす」性格が強まり、艦隊戦や拠点制圧、対MS戦でも主導権を握るための主砲となる。Ex-Sではこの主砲運用が戦術の中心に置かれ、射線を通すための機動と、射撃のための姿勢保持が噛み合うように組まれている。
中距離以近の“手数”を担うのが、インコム系とビーム・カノン群だ。頭部に内蔵されるインコムは、MS本体の火器が向けにくい角度や、回避軌道の先を抑える射線を作り、相手の回避行動そのものを制限する。さらにEx-Sの特徴として語られるのがリフレクター・インコムで、反射機構を介して射線を折り曲げ、遮蔽物や回避運動に依存した防御を無力化しやすい運用が強調される。これに背部・脚部などに配置されるビーム・カノンが加わり、正面の主砲、側面の追撃、上下面の抑えを同時に成立させることで、単純な火力ではなく「逃げ場を奪う火力配置」を作る武装体系になっている。
近接・防御の領域では、ビーム・サーベルによる最低限の白兵戦能力と、頭部バルカン砲などの近距離迎撃が押さえとして機能する。加えて、Ex-Sが“ただの砲撃機”に留まらない要素がIフィールド(ビーム・バリア)系の防御だ。常時展開で鉄壁にするというより、被弾が致命傷になる瞬間を短い時間で切り抜けるための防御として位置づけられ、主砲の再照準や離脱機動へ繋げる「一瞬の保険」になる。つまりEx-Sの武装は、単発の派手さではなく、ビーム・スマートガン、インコム、リフレクター・インコム、ビーム・カノン、Iフィールドが互いの弱点を埋め、戦術の流れを止めないように組まれた総合システムだ。
リョウ・ルーツの思想
リョウ・ルーツの思想の核は、「組織や理想を掲げる側が、個人の生存や尊厳を簡単に切り捨てる」という不信から始まる。地球連邦軍という巨大組織の中で、ペズン計画やSガンダムの実験運用が“現場の人間の心理”より優先される空気に晒され、命令や規律を絶対視する価値観を最初から持たない。リョウが放つ反抗的な言動は、秩序破壊の快楽というより、権威に寄り掛かっても守られないという現実感の裏返しとして現れる。
その不信を決定づけるのが、ALICEという戦闘AIの存在だ。リョウはSガンダムの「操縦者」であると同時に、ALICEの学習の“刺激”として観察される立場に置かれる。コードネーム「チェシャ猫」に象徴されるように、リョウは「常識的でない反応」そのものが価値になる役割を背負い、兵士として“模範解答”を出すほど、存在意義が薄れるという矛盾を抱える。ここでリョウの思想は、単純な軍隊批判から一歩進み、「人間が人間として扱われない構造」への嫌悪へと深まる。
一方で、リョウの反抗は孤立のためではなく、仲間との関係の中で形を変えていく。ニューディサイズとの戦闘が激化し、タスクフォース・アルファの戦場が“理屈では割り切れない死”を積み重ねるにつれ、リョウは皮肉や逃避では生き残れない局面に追い込まれる。Sガンダムという機体、ALICEという相棒、そして周囲の兵士たちの判断が絡み合う現場で、リョウは「自分が嫌いな組織の命令でも、目の前の誰かを救うために引き受ける」という現実的な責任の取り方を学んでいく。ここでの成長は、熱血や正義感ではなく、死と隣り合わせの現場でしか獲得できない実践知として描かれる。
最終的にリョウ・ルーツの思想は、「理想を掲げるより、結果として誰を生かしたか」を重視する方向へ収束する。ALICEが介在するSガンダムの挙動は、パイロットの技量だけでは説明できない局面を生み、リョウは“自分の意志だけで戦っている”という感覚すら揺さぶられる。それでもリョウは、機械に委ね切るのでも、組織に従い切るのでもなく、戦場で自分が下す判断の責任を引き受ける側へ踏み出す。反抗的な言動は最後まで消えないが、その矛先は自己顕示から離れ、Sガンダム、ALICE、タスクフォース・アルファという具体的な関係を守り抜くための、現実的で冷徹な意思として定着していく。
