ブルーディスティニー3号機の対戦一覧表
| 対戦カード | 宇宙・中距離 | 宇宙・近距離 | 宇宙・遠距離 | 地上 |
| ブルーディスティニー3号機 vs エルメス | 敗北 | 敗北 | 敗北 | 敗北 |
| ブルーディスティニー3号機 vs ジークアクス | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 勝利 |
| ブルーディスティニー3号機 vs ル・シーニュ | 敗北 | 勝利 | 敗北 | 勝利 |
ブルーディスティニー3号機の武装とEXAMシステム
ブルーディスティニー3号機は、型式番号RX-79BD-3を冠する地球連邦軍の試作実験機で、陸戦型ガンダムを素体にEXAM研究所の成果を反映して成立した機体だ。もともとはブルーディスティニー1号機・2号機の予備機として扱われていたが、2号機がジオン公国軍に強奪された事態を受け、追撃任務のため実戦投入された経緯を持つ。再塗装の時間がなく、白とダークブルーを基調にした陸戦型ガンダム系の配色で出撃する点が特徴だ。ユウ・カジマの乗機として地上任務を複数こなし、のちに宇宙用改装も受け、最終的にコロニー外部宙域で奪取された2号機と交戦し、相討ち・大破に至る。
武装体系は「手持ち火器+内蔵火器+白兵装備」という連邦系MSの骨格を踏まえつつ、EXAMの運用を前提に“瞬間火力と追い込み”へ寄せているのが肝だ。近接装備としてビーム・サーベル×2を備え、間合い侵入から斬撃、追撃離脱までを高回転で繰り返せる。射撃主兵装はビーム・ライフルと100mmマシンガンを状況で使い分け、前者は装甲目標を素早く貫く決定打、後者は連射による制圧・牽制や回避方向の誘導に回る。防御用のシールドも携行し、実弾・破片・至近距離の散弾的被弾を受け流しながら射線を維持する「盾越し射撃」を成立させる。武装の選択肢が多いほど、EXAM発動中の短い時間で最適な解を選ぶ必要があるため、3号機の装備は“迷わず当てる”より“当て続ける”方向へ整えられている。
内蔵火器がEXAMの加速と噛み合う。頭部バルカン砲×2は最終防衛と牽制の定番だが、3号機では胸部バルカン砲×2が併載され、近距離での手数が増える。胸部火器は「姿勢制御を崩した敵への追い弾」「抜刀前の一瞬のよろけ取り」「味方の射線を通すための制圧」に回しやすく、EXAM発動時の高機動で生まれる“ほんの0.数秒の空白”を攻撃へ変換しやすい。そして特徴的なのが腹部有線ミサイル×2で、ミノフスキー粒子濃度が高い環境でも中距離の標的へ追従させやすい思想がある。有線誘導は電波誘導の不利を回避するための回答であり、宇宙・コロニー周辺・攪乱下でも「逃げる相手の姿勢を崩す」「回避方向を縛る」用途で効く。単発の威力よりも、敵の動きと判断を鈍らせる“縛り”がEXAMの追い込みと相性が良い。
EXAMシステムは、一年戦争期にフラナガン機関の研究者クルスト・モーゼスが開発したMS用の特殊オペレーション・システムで、ニュータイプへの恐怖と殲滅思想が研究の方向性を決定づけた。開発にはニュータイプの少女マリオン・ウェルチが関与し、能力抽出とプログラム化が進められるが、テスト中の偶発的事故でマリオンの精神が取り込まれたことを契機に安定動作へ到達し、完成へ至ったと整理される。通常は補助制御として働き、操作入力をより適切な挙動へ修正して擬似的にニュータイプ級の戦闘動作を再現する一方、ニュータイプの脳波検知などを契機に自律的な“暴走”へ傾く危険がある。連邦側の開発担当アルフ・カムラは暴走を抑えつつ短時間だけ意図的に機能を引き出すリミッターを導入し、3号機にも時限リミッターが設定されている。つまり3号機のEXAMは時間制限付きの過負荷モードであり、勝負どころで敵の反応速度・運動性の差を踏み潰すための切り札として位置づく。
ユウ・カジマのパイロット技術
ユウ・カジマは地球連邦軍の第11独立機械化混成部隊、通称モルモット隊に属する少尉として描かれ、寡黙な性格ながらエースパイロットとされる人物だ。MS以前は宇宙戦闘機隊で戦い、FF-4トリアーエズやFF-3Sセイバー・フィッシュでザクと渡り合い、母艦も僚機も失う苛烈な戦場経験を積んだという来歴が付与されている。V作戦に連なるMS実験部隊へ転属して早期からMSカリキュラムを受け、RGM-79系列など複数機種のデータ採取と実戦運用に関わってきた“適応の履歴”が、のちのEXAM運用で大きな意味を持つ。兵器としてのMSの癖を掴む速度が速く、機体ごとの姿勢制御や推進剤の使い方を短期間で自分の型に落とし込む点が、ユウの技量の土台になる。
操縦技術の象徴として提示されるのが、シミュレーター上でアムロ・レイのRX-78-2 ガンダムに勝つほどの腕前という記述だ。ここで重要なのは“勝った”という結果だけでなく、シミュレーター戦が要求する資質だ。再現データ相手の模擬戦は、相手の癖が固定化されるぶん、こちらの機体制約・弾数管理・間合いの作り方をミスると一気に差が露呈する。つまりユウは照準線の置き方、射撃の間合い調整、旋回半径と推進剤の使い方、格闘に入るタイミングの見切りといった“基本の精度”が高いだけでなく、反復の中で最適解へ収束させる学習速度を持つタイプとして立つ。正面からの豪腕一撃より、粘り強い戦いと確実な撃破で勝ち筋を拾う合理性が強い。
実戦での評価を決定づけたのは、暴走したブルーディスティニー1号機を撃退した戦いぶりだ。EXAM搭載機の暴走は味方であっても敵になる最悪の状況を生み、相手は高機動・高反応で襲いかかる。その局面でユウが示したのは、反射神経だけでなく、被害を局限するための射線管理と距離管理、そして勝ち筋の選別だ。追いかけ合いに乗れば事故が増えるため、射角が通る位置取りを優先し、牽制で機動を縛り、確実に止める瞬間に火力を集中させる必要がある。そこで得た評価によってユウは“ブルーの新たなパイロット”に選出され、以後はEXAMを巡る戦いへ放り込まれる。EXAMの発動中はパイロットが精神的影響を受けると整理されるため、ユウの強みは機体を動かす技量だけでなく、恐怖・幻影・殲滅衝動の揺さぶりの中で判断を折らない戦闘継続力にある。
戦歴の積み上げも技量の裏付けになる。小説版の記述として、物語中盤時点でMS撃墜数が60機以上に達し、連邦軍エース上位に相当し得る数字が示される一方、EXAM関連記録は抹消され公式から消えるという闇も背負う。戦後も連邦に残り、第二次ネオ・ジオン抗争ではRGM-89 ジェガンでアクシズ降下阻止に参加し、階級は大佐とされる。さらに“蒼”をパーソナルカラーとして、RGM-79GS ジム・コマンド宇宙仕様やジェガンへ意匠を反映したという語りもあり、短期間のブルーディスティニー搭乗で伝説が形成された構図が強い。ユウの操縦は、EXAMという劇薬を「ここで切る」「ここで止める」と線引きして勝ちへ接続する実務的な強さに寄っており、派手さよりも生還と撃破を両立させる粘りが最大の武器だと言える。






